農業近代化資金は、経営改善に必要な施設資金等を、都道府県等の利子補給措置と融資機関の貸付の組み合わせで長期かつ低利に供する制度である。借入対象者、資金使途、限度額・金利・償還・融資率、目標地図上の認定農業者向け特例、取扱融資機関と申込の流れを要約する。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰に | 農業を営む者(認定農業者、認定新規就農者、主業農業者、目標地図に位置付けられた者、集落営農組織、農業を営む任意団体など)、農協・農協連合会、(1)~(2)または地方公共団体が主たる構成員・出資者の団体、基本財産の過半を拠出している法人など。 |
| 何を | 資金使途の範囲、借入限度額、金利、償還期限、融資率、目標地図上の認定農業者向け特例、取扱融資機関と利子補給・補助の関係。 |
| 詳細はどこで | 農林水産省「農業近代化資金」をご覧ください。金利の適用や必要書類は取扱金融機関の個別条件に従う。 |
制度の趣旨
農業近代化資金は、農業近代化資金融通法(昭和36年法律第202号)に基づき昭和36年に創設された仕組みである。意欲と能力を持つ農業を営む者等が経営改善に必要な施設資金等を借り入れる際、都道府県等が融資機関に利子補給措置を講じることで、長期かつ低利の融資が実現する。
借入対象者
借入対象者は次のとおり整理される。
- 農業を営む者。具体例として、農業経営基盤強化促進法に基づき農業経営改善計画を作成し市町村長等の認定を受けた認定農業者、同法に基づき青年等就農計画を作成し市町村長の認定を受けた認定新規就農者、農業所得が総所得の過半を占める等の主業農業者(法人は農業に係る売上高が総売上高の過半、農業粗収益が個人200万円以上・法人1,000万円以上などの要件)、地域計画のうち目標地図に位置付けられた者、集落営農組織、農業を営む任意団体などが挙げられる。
- 農協、農協連合会。
- (1)~(2)または地方公共団体が主たる構成員・出資者になっている団体、基本財産の過半を拠出している法人。
借入条件
資金の使途
畜舎・果樹棚・農機具など農産物の生産・流通・加工に必要な施設の改良・造成・復旧・取得、果樹その他の永年性植物の植栽・育成、乳牛その他の家畜の購入・育成、農地または牧野の改良・造成・復旧、長期運転資金、農村環境整備資金などが対象として列挙される。
借入限度額
農業を営む者については個人1,800万円(特認2億円)、法人・団体2億円。農協等は15億円で、大臣が承認した場合はその承認額が上限となる。
借入金利
取りまとめ時点(令和8年4月20日)の案内では、借入金利は2.60%として公表される。実際の適用金利は借入時点の取扱金融機関の条件に従う。
償還期限
資金使途に応じ、償還期限は7~20年以内(うち据置2~7年以内)として整理される。
融資率
融資率は原則80%以内、認定農業者については100%以内となる。
目標地図に位置付けられた等の認定農業者に対する特例
農業経営基盤強化促進法に規定する地域計画のうち目標地図に位置付けられた等の認定農業者が借り入れる場合、次の特例が案内される。
- 担い手経営発展支援金融対策事業。規模拡大や農産物輸出など攻めの経営展開に取り組む者のうち、該当する認定農業者は、利子助成により貸付当初5年間の金利負担軽減措置(最大2%)のほか、その後償還終了時(最長15年間)まで償還期限に応じてスーパーL資金の貸付金利と同水準での融資が受けられる。同事業を活用できる場合、6年目以降の金利は1.35~2.05%の帯に収まる。
- 農業経営基盤強化資金利子助成金等交付事業。担い手経営発展支援とは別枠で、同様の認定農業者は利子助成により貸付当初5年間の金利負担軽減措置を受けて融資が受けられる。限度額は2億円までで、農村給排水施設資金および特定農家住宅資金は対象外となる。
図中の補助金は、目標地図に位置付けられた等の認定農業者に対する特例措置のためのものとして位置づけられる。
取扱融資機関
取扱融資機関は農協、信用農協連合会、農林中央金庫、銀行、信用金庫、信用組合として整理される。
利用の流れ
借入希望者は、必要書類を最寄りの窓口機関(農協、銀行等)へ提出する。窓口の所在は都道府県の農業制度資金担当課や普及指導センターが案内経路として示される。必要書類の種類は取扱金融機関ごとに定められる。