食品を輸出するとき、輸出先国・地域の規制や要件への対応は大きな障壁になります。国はこの障壁の解消に向けて、国際認証の取得、施設認定、規制理解の講習会などの取組を輸出先国規制対応支援事業で支援しています。支援する五つの取組、補助率と資金の流れ、申請の進め方を解説します。

項目 内容
誰が 輸出先国・地域の規制や要件への対応に取り組む民間団体等。実施主体・資格・公募区分は年度ごとの公募要領で定まります。
何を 国際的に通用する認証の新規取得、輸出先国に適合する施設の認定、規制理解の講習会等、輸出先国検査官の招へい、輸出先国が求める検査・適合宣言書作成など、輸出の障壁解消に直結する取組を支援します。
補助率・予算 取組に応じて2分の1以内の交付定額を組み合わせます。制度全体の予算は、令和8年度の概算決定額が内数225百万円(前年度225百万円)です。個別事業の上限・補助率は公募要領で確認します。
詳細はどこで 農林水産省「輸出先国規制対応支援事業」の公募情報・概要説明を正本とします。
輸出先国規制対応支援事業の概要図。講習会等による規制理解、国際認証の新規取得、施設認定と審査・現地確認、輸出先国検査官の招へい、輸出先国が求める検査や適合宣言書の作成の五区分と、国から民間団体等への交付・定額の流れ、事業目標、令和8年度の概算決定額をまとめている。
農林水産省・輸出先国規制対応支援事業(制度概要)

輸出先国規制対応支援事業とは

輸出先国規制対応支援事業は、輸出環境整備推進事業の一区分です。農林水産物・食品の輸出額目標の達成に向けて、輸出の障壁になりやすい国際的認証の取得輸出先国の要件に適合する施設認定輸出先国の規制に関する講習会等輸出先国検査官の招へいといった民間の取組を後押しします。輸出の始め方や国の支援策の全体像は、農産物・食品の輸出の始め方と支援の解説もあわせてご覧ください。

自社の取組は対象になるか

次の三つに当てはまるかどうかで、応募を検討できるか判断できます。

  • 輸出先国・地域の規制や要件への対応に取り組む民間団体等であること。
  • 取組の内容が、後述する五つの支援類型(認証取得・施設認定・講習会・検査官招へい・輸出前検査等)のいずれかに当てはまること。
  • 当該年度の公募要領が定める実施主体・資格・公募区分の要件を満たすこと。

個別の生産者・食品事業者は、講習会や技術的指導の受け手として支援に関わる場合もあります。自社が直接応募できるかは、公募要領の実施主体の定めで確認します。

支援する五つの取組

1. 国際的に通用する認証の新規取得

輸出拡大につながる国際的に通用する認証等の新規取得に向けた取組を支援します。

2. 輸出先国の要件に適合する施設の認定

輸出先国・地域からの施設認定の取得に加え、認定に向けた審査や現地確認を実施する取組を支援します。

3. 輸出先国の規制等の理解向上

事業者に対し、輸出先国・地域が求めるHACCP導入等に必要な一般衛生管理輸出先国の規制への対応に資する講習会の開催、技術的指導などを支援します。

4. 査察や合同輸出検査等に係る輸出先国検査官の招へい

輸出先国・地域の検査官を招へいして行う査察合同輸出検査などを支援します。

5. 輸出先国が求める条件に応じた検査等

輸出先国・地域の法令等に基づき求められる輸出前検査適合宣言書の作成、新たに求められる規制への対応を支援します。

補助率と資金の流れ

資金はから民間団体等へ流れ、取組の内容に応じて交付(2分の1以内の例)定額を使い分けます。区分の一例として、施設認定の一部や検査官招へいには定額を、国際認証の新規取得、施設認定の一部、規制理解の講習等、輸出先国が求める検査等には2分の1以内の交付を組み合わせます。実際の区分・算定は当該年度の公募要領に従います。

事業目標と予算

事業目標は、農林水産物・食品の輸出額の拡大です。目標値の一例は5兆円(令和12年まで)です。予算面では、令和8年度概算決定額として内数225百万円(前年度225百万円)を計上しています。

申請の流れ

本事業は年度ごとに公募区分や要件が更新されます。応募は次の順で進めます。

  1. 農林水産省「輸出先国規制対応支援事業」のページで、当該年度の公募情報を確認します。
  2. 公募要領で、実施主体の資格、対象経費、補助上限、提出様式を確認します。
  3. 公募要領に合わせて事業計画を組み立て、定められた期限までに応募します。不明点は農林水産省の案内に沿って確認します。

よくある質問

対象になるのはどんな事業者ですか

輸出先国・地域の規制や要件への対応に取り組む民間団体等が対象です。実施主体の資格や公募区分は年度ごとの公募要領で定まるため、自社(自団体)が応募できるかは当該年度の要領で確認します。

補助率はどれくらいですか

取組に応じて2分の1以内の交付定額を組み合わせます。一例として、施設認定の一部や検査官招へいは定額、国際認証の新規取得や規制理解の講習等は2分の1以内の交付です。個別事業の上限・算定は公募要領に従います。

どんな認証の取得が対象ですか

輸出拡大につながる国際的に通用する認証等の新規取得に向けた取組が対象です。なお、日本発の規格を国際標準にして輸出を後押しする取組は、JASの国際標準化による輸出力強化の事業で別途進めています。

HACCPへの対応も支援されますか

本事業では、輸出先国・地域が求めるHACCP導入等に必要な一般衛生管理に資する講習会の開催や技術的指導を支援します。施設や設備そのものの整備には、ハザップ対応の設備整備に使える補助金のような別の枠組みがあります。

どこに申し込みますか

農林水産省の「輸出先国規制対応支援事業」のページで公募する事業です。年度ごとに公募区分・要件・期限が変わるため、応募時点の公募情報と要領をご覧ください。

次の一歩

まず農林水産省の輸出先国規制対応支援事業のページで、当該年度の公募の有無と要領をご覧ください。そのうえで、自社の取組が五つの支援類型のどれに当てはまるかを整理し、対象経費と補助率を要領で確かめてから事業計画づくりに進みます。品目単位で輸出に取り組む場合は、認定輸出促進団体の役割とメリットも参考になります。

出典:農林水産省「輸出先国規制対応支援事業」。公募条件・補助率・対象経費・申請期限・様式の最終判断は、必ず最新の公示・公募要領・一次情報で確認してください。