農林水産省の「施設園芸等燃料価格高騰対策」のうち、燃料価格の変動に強い経営への転換を支えるセーフティネット(正式名称は施設園芸セーフティネット構築事業)について、発動条件と補填のしくみを軸に、対象となる団体、補填積立金と国の負担、発動基準価格と補填対象数量、各特例措置までを、下の図解と本文でつなげて説明します。文中の年度・単価・割合は理解しやすくするための例(令和7事業年度など)です。手続きや最新の数値は必ず農林水産省の一次情報で確認してください。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が | 施設園芸農家3戸以上又は農業従事者5名以上で構成する農業者団体等。セーフティネットの対象期間と燃料購入数量を設定し、補填積立金を納めます。 |
| 何を | 省エネルギー等対策推進計画に沿った取組の実施と、A重油価格等が発動基準価格を上回った場合の補填です。国と生産者が1対1で積み立てます。 |
| いくら | 補填金は補填単価×補填対象数量です。補填単価は当該月の価格−発動基準価格(令和7事業年度の例では基準が94.1円/L)。補填対象数量は原則当月購入数量の70%で、特例で引き上げられます。 |
| 詳細はどこで | 農林水産省「施設園芸等燃料価格高騰対策」、実施要領・募集要項、都道府県の案内を参照してください。 |
制度の全体像(図解)
図解(全体像)
背景と図の読み方
施設園芸等では加温用燃料が経営費に占める割合が大きく、価格変動の影響を受けやすい業種です。省エネルギー化に取り組んできた産地でも、さらに価格高騰に強い経営への転換が求められ、一定の価格を上回った月には補填金が出るセーフティネットが用意されています。図の左から順に、誰が対象か、どの計画に沿って動くか、積立と補填の流れ、基準価格をどう置くか、特例で補填の幅がどう広がるかが読み取れます。
対象となる団体と仕組みの骨子
施設園芸農家3戸以上又は農業従事者5名以上で構成する農業者団体等が支援の対象です。まずセーフティネットの対象期間を選び、燃料購入数量を定めて補填積立金を納めます。国と生産者が1対1で積み立てます。続いて省エネルギー等対策推進計画の目標に向けて取組み、A重油価格等が一定の基準を超えた月に補填金が交付されます。
省エネルギー目標の考え方
支援対象者は、3年間で燃料使用量を15%以上削減する省エネ目標と、目標達成に向けた取組を設定します。初めて取り組む場合は、3年間で10a当たりの燃料使用量を15%以上削減する、ところから始めます。2期目以降に継続する場合は、3年間で10a当たりの燃料使用量をさらに15%削減するか、単位生産量当たりの燃料使用量を15%以上削減する目標(収量増加で達成しうる場合を含む)を立て、計30%以上の省エネに取り組みます。計30%以上の削減を達成した者は、自ら削減目標を定め、さらなる省エネに向けて継続的に取り組みます。指標の定義や測定方法、計画書の様式は要領で確認してください。
発動基準価格と補填の計算
基準価格の求め方
発動基準価格は、過去7年間のA重油価格のうち、最高値の1年分と最安値の1年分を除いた5年の平均として設定されます。図のグラフでは、平成29事業年度から令和7事業年度までの推移から、令和7事業年度の発動基準価格は94.1円/Lです。
補填金の算定
補填金は補填単価×補填対象数量です。補填単価は発動基準価格との差額で、令和7事業年度の例では当該月の価格−94.1円/Lです。補填対象数量の原則は当月購入数量の70%で、残り30%は補填の対象外です。価格が急騰した場合などには、特例によって対象数量を100%まで引き上げられます。
特例措置
特例には次の三つがあります。
低温特例
当月の気温が平年気温を下回った場合、段階的に補填対象数量を引き上げます。
急騰特例
燃料価格が、前年加温期間の平均価格より11%以上高騰し、かつ「7年中5年平均」の価格を上回った場合、補填対象数量を100%に引き上げます。2年前比22%、3年前比33%の上昇時にも発動します。
省エネ加速化特例(令和9事業年度まで)
ヒートポンプ等の省エネ機器を導入し、かつ3年間で化石燃料の使用量を50%以上削減する取組を行う場合、補填対象数量を70%から100%に引き上げます。算定上は基準量の50%の数量までが対象です。
キーワード解説
セーフティネット(構築事業)
燃料価格が一定の基準を超えた場合に補填金を交付する枠組みを、対象期間と購入数量の設定、補填積立金の積立、省エネ計画の実施と一体で構築する事業です。
補填積立金
将来の補填に備えて納められる積立金で、国と生産者が1対1で負担します。
省エネルギー等対策推進計画
燃料使用量削減などの目標と取組をまとめた計画で、補填の前提となる取組の設計を担います。
発動基準価格
過去7年のうち最高・最低の各1年を除いた5年の平均として設定される、補填の発動判断に用いるA重油価格の基準です。
補填対象数量
補填金の算定に用いる燃料の数量で、原則は当月購入数量の70%です。特例措置により引き上げられます。
A重油価格
補填の発動や基準の設定には、A重油価格の系列が指標として使われます。実務で扱う指標の定義や公表値は要領・公示で確認してください。
施設園芸農家3戸以上又は農業従事者5名以上
農業者団体等を構成する要件の一例です。正確な要件は募集要項で確認してください。
応募・手続を検討する方へ
セーフティネットは、積立・省エネ計画・価格の動向が組み合わさる制度です。対象燃料の種類、加温期間の定義、価格指標の公表主体、申請窓口などは都道府県ごとの運用も絡みます。不明点は、募集要領に記載の問い合わせ先や所管窓口で確認してください。