地域農業構造転換支援事業は、地域の中核となって農地を引き受ける担い手の経営改善に必要な農業用機械・施設の導入を支援する制度です。補助の枠組み、対象となる機械・施設、地域条件、成果目標、令和7年度補正からの上限引上げ、予算の内数、申請から支払いまでの流れを整理します。数値・年度・手続は公示・要領・市町村の案内が正本です。

概要

項目 内容
誰に 地域計画に位置付けられた担い手(例:認定農業者、認定新規就農者、集落営農組織、市町村基本構想に示す目標所得水準を達している農業者など。定義・該当性は地域計画・市町村の運用で確認)。認定新規就農者向けには別途「新規就農者チャレンジ事業」も案内されている。
何を 成果目標の達成に直結する農業用機械・施設の導入。トラクター・田植機・コンバイン等の機械、乾燥調製・集出荷・農畜産物加工施設、ビニールハウス等が例示されている。リース導入も対象になり得る。
いくら 補助率は3分の10以内が基本。個人1,500万円以内・法人3,000万円以内(令和7年度補正以降の案内上の上限)。リースは取得額相当の3分の7の定額など別扱い。予算は令和7年度補正で12,286百万円の内数、令和8年度当初で2,920百万円の内数が示されている。
詳細はどこで 農林水産省「地域農業構造転換支援事業(令和7年度補正予算、令和8年度予算)」、市町村の募集・要望調査案内、実施要領・様式をご覧ください。
数値・要件について:ここに示す補助率・上限・予算額・KPIは、説明スライド時点の例示です。採択可否、配分、成果目標の定義、提出期限は市町村・都道府県・国の審査運用により変わり得ます。申請前に必ず最新の公示・要領と市町村窓口をご覧ください。
地域農業構造転換支援事業の概要スライド。補助率3分の10以内、対象機械・施設、対象地域条件、成果目標の選択肢、令和7補正での法人上限引上げ、食料・農業・農村基本計画のKPI、予算の内数が一覧されている。
農林水産省「地域農業構造転換支援事業(令和7年度補正予算、令和8年度予算)」

制度の趣旨と補助の枠

地域農業構造転換支援事業は、地域が目指す農地利用の集約化に重点を置き、中核的な担い手の経営改善に必要な農業用機械・施設の導入を支援する制度です。補助率は3分の10以内が基本です。農業用機械のリース導入は補助率を定額とし、取得額相当の3分の7が示されています。

令和7年度補正以降、法人の補助上限が1,500万円から3,000万円へ引き上げられ、案内上は個人1,500万円以内・法人3,000万円以内が補助上限として整理されています。

対象となる農業用機械・施設(例)

次のような機械・施設が例として挙げられています(いずれも成果目標の達成に直結する導入であることが要件化されやすい点に留意)。

  • トラクター、田植機、コンバインなどの農業用機械
  • 乾燥調製施設(乾燥機等)、集出荷施設(選果機等)、農畜産物加工施設(加工設備等)などの施設
  • ビニールハウス

対象地域の条件

対象地域は、地域計画における集積の目標と現状の関係で次のいずれかを満たす必要があります。

  • 地域計画の目標集積率が6割以上(都府県の中山間地域は5割以上
  • 又は、現行の地域計画、若しくは見直し後の地域計画において、目標集積率が現状の集積率より10ポイント以上高い姿が計画されていること

地域計画の見直しに取り組む地域も対象に含まれる旨が強調されています。

成果目標と指標の例

担い手は、事業の3年度目の目標として、次のいずれか1つの成果目標を選択して取り組む場合に支援対象となり得ます(定義・測定方法は要領で確認)。

  • 経営面積の3割又は4ヘクタール以上の拡大
  • 付加価値額1割以上の拡大(付加価値額=収入総額-費用総額+人件費)
  • 労働生産性3%以上の向上

経営面積の拡大以外の目標も選択できるようにする変更が示されています。食料・農業・農村基本計画のKPIとして、2030年までに担い手への農地集積率7割、販売金額に占める担い手のシェア9割が掲げられています。

予算の内数(スライド記載)

  • 令和7年度補正予算額:12,286百万円の内数
  • 令和8年度当初予算概算決定額:2,920百万円の内数
留意事項と事業の流れのスライド。リース補助、事業費下限、耐用年数、更新導入の制限、共済加入、汎用品の排除、未契約要件、補助金返還、虚偽申請、市町村経由の6段階の流れ、配分時の優先やポイント配分が記載されている。
農林水産省「地域農業構造転換支援事業(令和7年度補正予算、令和8年度予算)」

主な留意事項

  • 農業用機械のリース導入は対象になり得るが、補助は定額で、取得額相当の3分の7という整理がある。
  • 事業費は整備内容ごとに50万円以上であること。
  • 法定耐用年数はおおむね5年以上20年以下(中古は使用可能と認められる年数が2年以上)。
  • 成果目標の達成に直結する導入であること、既存機械等の同種・同能力の更新に当たる導入でないこと
  • 導入機械等について園芸施設共済・農機具共済等への加入が求められる。
  • 運搬用トラック、パソコン、倉庫など、農業経営以外に容易に転用されうる汎用性の高いものは対象外となりやすい。
  • 既に購入(契約)している機械等は対象に含めない運用が示されている。
  • 処分制限期間内は適正管理が必要で、期間内に離農等で使用しなくなった場合、残存簿価等に応じた補助金返還が必要となることがある。
  • 虚偽の申請をした場合、返還等の措置が講じられることがある。

申請から支払い・報告までの流れ

市町村を通じて担い手を支援する仕組みです。流れは次のとおり整理されています(提出期限は市町村が設定)。

  1. 市町村が要望調査を実施
  2. 担い手(助成対象者)が申請書を作成し応募
  3. 市町村、都道府県、国による審査、助成対象者の決定
  4. 市町村から通知後、担い手による事業の開始(契約等)
  5. 事業完了(納品等)後、補助金の支払い
  6. 目標達成状況の報告(3年度目まで)

審査の結果、配分されない場合があります。各回の配分予定額を上回る要望があった場合、成果目標の設定状況等によるポイントに基づき配分されます。また、配分予定額の半分は、経営面積の拡大を選択した者から優先して配分する旨が示されています(リース期間終了後に相当程度の経営面積拡大をする場合の扱いなど注記あり)。

要望調査は5月12日開始から当面の間、市町村が実施するスケジュールが案内されています。活用を検討する農業者は、提出期限・様式を市町村に確認してください。