国内肥料資源利用拡大対策事業は、畜産由来の堆肥や下水汚泥など国内資源の肥料利用を進め、肥料の国産化につなげるための国の支援枠組みです。支援は「施設整備等」「国内資源の肥料利用拡大等の取組」「全国の土壌養分等の調査」の三つに大別でき、令和7年度補正では当該事業に7,000百万円が計上されています。広域流通に資する施設整備は補助上限20億円(所管区分によっては上限なし)、ほ場・試作・分析・機械導入の区分は試作200万円/その他3,000万円(いずれも機械導入費を除く)など、区分ごとに上限の目安があります。採択要件・様式・窓口は、農林水産省「国内肥料資源利用拡大対策事業」、地方農政局、都道府県の要綱・募集案内で確認してください。
国内肥料資源利用拡大対策事業とは
肥料の原料供給事業者・肥料製造事業者・肥料利用者が連携し、堆肥の高品質化・ペレット化、ほ場での効果検証、製造施設や散布機などの導入を通じて、国内資源ベースの肥料利用へ寄せる仕組みです。国は都道府県協議会等や民間団体等(農業者の組織する団体を含む)を支えとし、下位で施設・ほ場支援・調査がつながるスキームになっています。
支援の早見
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が | 事業の流れでは、国から都道府県協議会等・民間団体等へ支援が降りる。原料供給・製造・利用の各主体が連携計画を作成した者を、支援対象に含める設計です。 |
| 何を | 施設整備、ほ場での検証・試作・分析・機械導入、マッチング・理解醸成、全国の土壌養分等の調査(土地生産力の把握)の三つの柱です。 |
| いくら(目安) | ①広域流通向け施設整備は補助上限20億円(畜産局所管の区分は上限なし)。②ほ場等は肥料の試作200万円、それ以外3,000万円(いずれも機械導入費を除く)。事業全体の令和7年度補正の内数は7,000百万円。 |
| 詳細はどこで | 農林水産省「国内肥料資源利用拡大対策事業」を起点に、地方農政局・都道府県の募集要項・要綱で確認してください。個別公募は省ページの関連リンクや、事業名と「要綱」「募集」で検索してたどってください。 |
数値・区分について:本文の補助上限、定額、1/2以内は、農林水産省が公表している概要を参照した整理です。局所管の別枠や年度で変わり得ます。
対策のポイント
肥料の国産化に向け、畜産業由来の堆肥や下水汚泥資源などの国内資源の肥料利用を推進するため、肥料の原料供給事業者、肥料製造事業者、肥料利用者の連携づくりや施設整備等を支援する対策です。堆肥の高品質化・ペレット化、肥料向け供給の実証、製造施設・試作・利用機械・効果検証に加え、原料供給・製造・利用の各主体が連携計画を作成した者への支援も、同じ事業イメージの中に含まれます。
政策目標
- 国内資源の利用割合:肥料の使用量(リンベース)に占める国内資源の利用割合を拡大し、40%(令和12年度まで)を目標とする。
- 温室効果ガス排出削減(畜産分野):29万t-CO₂(令和7年度→令和12年度まで)。対象は「1.施設整備等への支援」の②(温室効果ガス排出削減に資する家畜排せつ物の管理の変更に関する施設整備)と対応づけられる。
事業の内容(三つの柱)
1.施設整備等への支援
- 広域流通等に資する施設整備:堆肥等の高品質化・ペレット化など、広域流通等に必要な施設整備等を支援。補助上限額は20億円(畜産局事業は補助上限額なし)。
- 排出削減に資する排せつ物管理の変更:温室効果ガスの排出削減に資する家畜排せつ物の管理方法への変更を行うための施設整備等を支援。
2.国内資源の肥料利用拡大等の取組への支援
- ほ場・製造・分析・機械導入等:ほ場での効果検証、成分分析、検討会開催、機械導入等を支援。補助上限額は、肥料の試作が200万円、それ以外が3,000万円(いずれも機械導入費を除く)。畜産局事業は補助上限額なし。
- マッチング・理解醸成:関係事業者間のマッチングや理解醸成等の取組を支援。
3.国内資源の肥料利用拡大に向けた調査
国内資源の肥料利用の効率化に必要な全国の土壌養分等の状況を調査し、土地生産力を明らかにする取組です。
事業の流れと補助のイメージ
国から都道府県協議会等・民間団体等へ支援が降りる流れで、全体のつながりは図の右下で把握できる。区分ごとの補助のイメージは次のとおり。
| 区分 | 補助のイメージ |
|---|---|
| 1の①、2の① | 都道府県協議会等へ定額、1/2以内の補助。 |
| 3の事業 | 都道府県協議会等へ定額、1/2以内。 |
| 2の② | 民間団体へ定額。 |
支援の具体例には、堆肥化・乾燥・臭気・強制発酵など堆肥の高品質化に必要な施設、ペレット化・乾燥・臭気など肥料製造施設、散布機・土壌分析機など利用機械、資材購入・成分分析・土壌分析に基づく試作・効果検証・供給実証がある。原料供給事業者・肥料製造事業者・肥料利用者の間で連携計画を作成した者も、支援の対象に含まれる。
令和7年度補正予算額
当該事業に係る令和7年度補正予算額は7,000百万円です。
よくある質問
これは補助金ですか
都道府県協議会等や民間団体等に対し、国が定額や経費の1/2以内で支援する、という補助に近いイメージで説明されています。現場では「補助金が出る」と捉えられることもあります。
一方で、法律上の「補助金」(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の対象となるもの)に当たるか、交付金・委託費など別の形かは、公募ごとの要綱・様式の表題と根拠法令で決まります。ご自身の区分は、該当する公募の募集要項や様式で確認してください。
申請はどこに出せばよいですか
窓口は公募・区分ごとに異なります。農林水産省「国内肥料資源利用拡大対策事業」のページから関連リンクをたどり、募集要項に記載の問い合わせ先、所管の地方農政局、都道府県の農政ページで確認してください。
最新の上限や申請期限はどこで確認しますか
補助上限や申請締切は、年度・区分ごとに変わります。農林水産省の最新公表、地方農政局・都道府県の案内、実施要領の改正版など、公的に更新された資料を優先して確認してください。制度の骨子の把握には、農林水産省の上記事業ページが役立ちます。
個人農家が国に直接、補助金として申請できますか
国の公表している事業の流れでは、国から都道府県協議会等や民間団体等へ支援が降りるイメージが中心です。原料供給事業者・肥料製造事業者・肥料利用者の連携や連携計画の文脈で、団体単位で設計される取組が多くなります。申請主体や参加のしかたは区分ごとに異なるため、該当しそうな公募の募集要項で確認してください。
補助率は必ず半額(1/2)ですか
説明資料上は定額や1/2以内などの表現がありますが、局所管の別枠では上限の置き方が異なる場合があります。実際の率や上限額は、年度の要綱・別表で確定する内容です。
採択後の支払いは、自己立替えから後で精算、という形ですか
区分や会計処理の形態によって、必要な請求手続・検査・報告のタイミングは異なります。いつどの単位で国費相当分が還付・交付されるかは、募集要項、交付決定通知、様式類に示された運用に従ってください。運用が読み取れない場合は、募集要項の問い合わせ先へ確認してください。
他の補助事業と対象経費が重なる場合、併給は可能ですか
国の複数制度で同一の経費に重ねて支援を受けられない場合があります。重複の禁止や必要な誓約の有無は、申請する区分の募集要項に明示されることが多いです。併用を検討する際は、条文・留意事項を確認してください。
機械や肥料の購入は、すべて補助の対象経費になりますか
一部の区分では、補助上限額の算定から機械導入費を除くといった扱いが示されています。対象となる経費の範囲・除外、見積書の要件は要綱の別表や説明資料に記載されていますので、申請前に照合してください。
公表・手続の確認先:本記事の数値・区分は読みやすさのための整理です。事業名、補助率・上限、採択要件、申請様式、交付の運用、所管課など、確定して進めるべき情報の正本は、農林水産省「国内肥料資源利用拡大対策事業」、地方農政局、都道府県の募集要項・要綱・交付決定通知・様式です。
まとめ
国内肥料資源利用拡大対策事業は、国産肥料の原料・製造・利用をつなぐ連携と施設を押し上げつつ、全国規模の土壌・養分の把握で利用の効率化も支える。政策目標はリンベースの国内資源比率40%(令和12年度まで)と、畜産GHG削減29万t-CO₂(令和7→12年度、「1.施設整備等」の②に対応)の二本柱になる。自団体・事業者はどの柱に該当するかを切り分け、省・農政局・都道府県の要綱で手続を詰めるとよい。