農業共済は、品目ごとの災害リスクに備える現場の保険である。国が掛金の約半分を負担し、台風・冷害などの被害時には共済金で損失を補塡する。令和8年度の予算・五類型・加入の進め方を整理する。
概要
加入を検討するなら、栽培・飼養する品目が五類型のどれに入るか、掛金の自己負担分(国庫負担後)、共済金の対象事故を、地域の農業共済団体の案内に沿って整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| あなたが | 農作物・家畜・果樹・畑作物・園芸施設などを経営し、災害・病害等のリスクに備えて共済に加入する農業者。掛金・賦課金を納め、要件を満たせば共済金を受け取る。 |
| やること | 経営品目に合う共済の加入区分を選び、掛金・補償内容を確認する。被害発生時は団体の手続に沿って共済金を請求する。収入保険との併用の扱いも、自分のプランで確認する。 |
| 国の支援 | 共済掛金の約1/2の国庫負担、団体の事務費負担、家畜共済の損害防止事業交付。令和8年度所要額79,312百万円(前年度80,087百万円)。 |
| 詳細はどこで | 加入要件・掛金・共済金の算定は、農林水産省「農業保険(収入保険・農業共済)」および担当地域の農業共済団体の案内をご覧ください。 |
対策のポイントと事業目標
政策の出発点は、自然災害等で農業者が受ける損失を農業共済事業で補塡することである。
- 農業保険(農業共済・収入保険)の加入率の向上
- 共済金の支払に係る事務を標準処理期間内(30日)に処理した割合100%とする
加入前にあなたが押さえること
- 自分の品目・経営形態が、農作物・家畜・果樹・畑作物・園芸施設のどの共済に該当するかを特定する。
- 掛金の自己負担分(国庫負担後)と、補償の対象事故(風水害・冷害・病虫害・家畜の疾病等)を、加入案内で確認する。
- 収入保険と併用する場合の扱いを、経営全体のリスク設計として整理する。
- 被害が出たときの共済金請求の期限・必要書類を、平時のうちに団体案内で把握しておく。
予算の三区分
令和8年度の所要額79,312百万円は、次の三事業に配分される。
1.共済掛金国庫負担金
所要額は45,214百万円(前年度46,059百万円)である。農業者が支払うべき共済掛金の約1/2を国が負担する。
2.農業共済事業事務費負担金
所要額は33,648百万円(前年度33,578百万円)である。農業共済事業の実務を担う農業共済団体の事業運営に係る基幹的経費(人件費、旅費等)を国が負担する。
3.家畜共済損害防止事業交付金
所要額は450百万円(前年度450百万円)である。農業共済組合連合会および特定組合に対し、農林水産大臣が指定した疾病について、検査指導・組合員研修等の損害防止事業に要する経費の一部を交付する。
共済事業の種類と対象
共済は、おおむね次の五類型に分かれる。
- 農作物共済:水稲、陸稲、麦など
- 家畜共済:牛、馬、豚など
- 果樹共済:うんしゅうみかん、なつみかん、いよかん、指定かんきつ、りんご、ぶどう、なし、もも、おうとう、びわ、かき、くり、うめ、すもも、キウイフルーツ、パインアップルなど
- 畑作物共済:ばれいしょ、大豆、小豆、いんげん、てん菜、さとうきび、茶、そば、スイートコーン、たまねぎ、かぼちゃ、ホップ、蚕繭など
- 園芸施設共済:園芸施設(附帯施設、施設内農作物を含む)
補塡の対象となる事故の例
農作物共済・果樹共済・畑作物共済・園芸施設共済では、風水害、干害、冷害、雪害などの自然災害に加え、火災、病虫害、鳥獣害などが対象事故に含まれる。家畜共済では、家畜の死亡、廃用、疾病、傷害が対象となる。
家畜共済では、団体が損害防止事業を実施する。対象疾病には、呼吸器疾患、周産期疾患、新生子疾患、乳房炎などがある。
制度の仕組みと資金の流れ
被災した農業者の損失は、共済の仕組みにより補塡される。農業者はあらかじめ掛金を納め、共同準備財産を形成し、被害発生時にその財産から共済金が支払われる。
国から農業共済団体等へ負担金・交付金が支出され、団体を介して農業者の掛金負担が軽減される。農業者からは共済掛金・賦課金が徴収され、対象品目に応じて共済金が農業者へ支払われる。