補助金・交付金の申請や認定農業者制度の手続きは、役所の窓口に行かなくても、eMAFF(農林水産省共通申請サービス)でオンライン申請できます。この記事では、農林水産省の案内資料に基づき、eMAFFでできること、利用を始めるまでの流れ、そして令和8年10月から始まる次期システム「eMAFF申請2.0」への移行で何がいつ変わるのかを整理します。制度ごとの最新スケジュールは農林水産省の一次情報をご覧ください。
eMAFFの全体像
まず、誰が・何を・どう使えるサービスかをまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が | 農林漁業者、農業法人、個人事業主など、農林水産省関係の申請を行う方 |
| 何を | 農林水産省の所管する法令に基づく申請や、補助金・交付金の申請をオンラインで提出。審査状況の確認もできます |
| 費用 | 利用は無料。gBizIDアカウントの登録も無料です |
| 必要なもの | gBizID(法人は印鑑証明書、個人事業主は印鑑登録証明書で本人確認)と、パソコン・スマートフォン・タブレットのいずれか |
| 注意 | 令和8年10月からeMAFF申請2.0へ制度ごとに順次移行し、現行のeMAFF申請は令和9年3月中旬に稼働終了予定です |
| 詳しくは | eMAFFポータルと農林水産省の案内ページをご覧ください |
eMAFFとは
eMAFF(イーマフ)は、農林水産省が所管する法令に基づく申請や補助金・交付金の申請を、オンラインで行える共通申請サービスです。役所の開庁時間に縛られず、自宅のパソコンやスマートフォン、タブレットから、作業の合間に申請できます。
申請できる手続きには、認定農業者制度、経営所得安定対策、収入保険、強い農業づくり総合支援交付金、環境保全型農業直接支払交付金、集落農業振興地域制度などがあります。現在申請できる手続きの一覧はeMAFFポータルの手続一覧で検索できます。
eMAFFを使うと、次の利点があります。
- 一度提出した情報は再提出が不要になるワンスオンリーの仕組みで、申請様式を記入する手間が減ります。
- 申請書類を紙で管理する必要がなくなり、過去の申請情報も利用できます。
- 自分の申請の審査状況をリアルタイムで確認できます。
- デジタル庁が運用するgBizIDと二要素認証で、なりすまし対策が行われています。
動作が保証されている環境は、パソコンがWindows 10・11またはmacOS 14.6.1以上、スマートフォン・タブレットがAndroid 14以上またはiOS 17.4.1以上です。
利用を始めるまでの流れ
eMAFFは、次の3ステップで使い始められます。
- gBizIDエントリーの取得:複数の行政サービスを1つのアカウントで使える認証システム「gBizID」に登録します。登録は無料で、取得方法はeMAFFポータルに案内があります。
- 本人確認:法人は法務省が発行する印鑑証明書、個人事業主は市町村が発行する印鑑登録証明書を提出すると、gBizIDエントリーからgBizIDプライムに昇格します。個人事業主に限り、eMAFF側で本人確認する方法もあり、この場合は国・自治体・地域農業再生協議会などの審査機関を訪問し、本人確認証明書を提示して対面で行います。
- ログインしてオンライン申請:eMAFFポータル画面右上の「ログイン」からgBizIDのメールアドレスとパスワードを入力すると、eMAFF IDが自動生成されます。初回ログイン時に利用規約への同意が必要です。あとは各制度のマニュアルを参照しながら申請を進められます。
eMAFF申請2.0への移行はいつから
現行のeMAFF申請は、令和8年10月から次期オンライン申請システム「eMAFF申請2.0」へ、制度ごとに順次切り替わっていきます。農林水産省が公表しているFAQに基づくと、移行のスケジュールと変更点は次のとおりです。
| 時期 | 何が起きるか |
|---|---|
| 令和8年5月以降 | 制度ごとの詳細な移行スケジュールが案内される予定です |
| 令和8年10月から | eMAFF申請2.0の利用が制度ごとに順次始まります。全制度が一斉に切り替わるわけではありません |
| 令和9年3月上旬まで | 現行のeMAFF申請から申請データ(CSV形式)をダウンロードできます |
| 令和9年3月中旬 | 現行のeMAFF申請が稼働終了となり、以降はログインできなくなる予定です |
eMAFFが廃止されるわけではなく、新しいシステムへの段階的な移行です。ただし、移行先は制度によって異なり、eMAFF申請2.0のほか、別のシステムやメール申請に分かれる制度もあります。自分が使っている制度がどこへ移るかは、制度ごとの案内で確かめましょう。
eMAFF申請2.0では、ログインIDがGビズIDに統一され、エラーチェックや入力補助の機能が強化される予定です。操作方法の研修も予定されています。システムを見直す背景には、手続数が多く分かりにくいことや、費用対効果に課題があったことがあります。
移行前にやっておきたいこと
- 過去の申請データのダウンロード:現行のeMAFF申請の稼働終了後は、事前にダウンロードしたCSVファイルのデータで対応する必要があります。今後もデータを使う予定がある場合は、令和9年3月上旬までにダウンロードしておきましょう。ダウンロードしたCSVはExcelで表示・変換できます。
- 使う予定がなければ不要:今後その申請データを利用する予定がない場合、ダウンロードは不要で、しなくても罰則はありません。eMAFF申請2.0に移行する制度の一部では申請データも移行されます。
- 申請中の案件の扱いを確認:令和8年10月以降、申請中の案件も制度によって移行先が分かれます。制度ごとの今後の案内を確かめましょう。
キーワード解説
gBizID(GビズID)
デジタル庁が運用する、法人・個人事業主向けの共通認証システムです。1つのアカウントで複数の行政サービスにログインできます。登録は無料で、簡易な「エントリー」と、印鑑証明書などによる本人確認を経た「プライム」の区分があります。eMAFF申請2.0では、ログインIDがこのgBizIDに統一されます。
ワンスオンリー
一度行政に提出した情報は、再提出を求めないという行政手続きの原則です。eMAFFでは過去の申請情報を利用できるため、同じ内容を毎回書き直す手間が省けます。
二要素認証
パスワードに加えて、スマートフォンへの通知など2つの異なる方法を組み合わせて本人を確認する仕組みです。第三者によるなりすましを防ぎます。
eMAFF申請2.0
令和8年10月から制度ごとに順次利用が始まる、次期オンライン申請システムです。利用者の声を踏まえて操作性が改善され、エラーチェックや入力補助機能が強化される予定です。現行のeMAFF申請は令和9年3月中旬に稼働を終了する予定です。