切り花や鉢物、花壇苗、球根などをつくる花き生産者・産地が、高温対策や品目の見直し、新しい販路づくりに活用できる補助事業が「花き支援対策」です。ジャパンフラワー強化プロジェクトの一環として、持続的生産強化対策事業の中に置かれています。令和8年度の予算額は728百万円で、対象となる取組・支援内容・活用の流れを整理します。補助の要件や様式の最終判断は、農林水産省の一次情報でご確認ください。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象となる方 | 切り花・鉢物・花壇苗・球根などの花き生産者や産地、花き業界の関係団体です。取組を実施する民間団体に生産者・産地が参画する形で活用できます。 |
| 受けられる支援 | 高温障害対策や品目転換、卸売市場・小売の販売データを使った流通効率化、ホームユース需要の掘り起こしや販路開拓に必要な検討会・実証・普及活動などです。 |
| 予算 | 令和8年度は728百万円(前年度728百万円)です。国から民間団体へ定額で交付され、成果は生産者へフィードバックされます。 |
| 詳しくは | 農林水産省「ジャパンフラワー強化プロジェクト」の掲載ページと、事業を実施する民間団体の公募案内をご覧ください。 |
花き支援対策の全体像
花き支援対策は、花きの需要に合わせた安定生産・安定供給をめざす補助事業です。高温障害を回避・軽減する技術、高温耐性・病害虫抵抗性品種への転換、花き業界の情報連携、新しい需要開拓・利用拡大など、地域や全国で生じている課題の解決に資する取組を支援します。取組は大きく「安定供給」「流通の効率化」「需要の増進」の三つに分かれ、いずれも検討会・実証・普及活動が中心です。
どんな取組で支援を受けられるか
高温対策・品目転換など安定供給の取組
夏場の高温で品質や出荷が乱れる産地は、この分野の支援を活用できます。生産技術の高度化・産地体制の強化として、遮光・遮熱資材や細霧冷房などの技術、高温耐性・病害虫抵抗性の品種への転換に必要な検討会、実証、普及活動を進められます。高温障害の回避・軽減に向けた取組には優先枠が設けられ、高温対策や病害虫防除技術の実証、需要期の出荷に向けた開花調整の実証、生産コスト低減・品質向上に資する栽培技術の実証などが対象になります。
売れ筋が変わってきた産地は、品目・品種の転換にも取り組めます。需要のある品目・品種への転換に必要な、転換先品目の需要調査、栽培実証、ホームユースなど収益性の高い品目に向けた栽培マニュアルの作成を支援します。
販売データを生かした流通の効率化
卸売市場・小売事業者がもつ販売データをもとに、国内外の需要動向を花き業界の関係者で共有する仕組みづくりを支援します。花き流通標準化ガイドラインに沿った物品・情報の流通の効率化に必要な検討会・実証・普及活動が対象で、情報連携に向けた調査・分析や、パレット・台車など輸送基盤の標準化が例に挙げられています。集まったデータは生産者へフィードバックされ、需要に基づいた生産につなげられます。
販路開拓・園芸体験など需要の増進
販路を広げたい生産者・産地は、需要増進の取組を活用できます。需要拡大が見込まれるホームユース向けの利用スタイルの提案、需要を喚起するPR活動、新規購買層の獲得に向けた販路開拓を支援します。花き利用の拡大に資する体験活動も対象で、新たな販路開拓に向けた販売実証、園芸体験の実施、消費者理解を深めるための調査などが例です。
花きの補助金として何を受けられるか
この事業は、個々の花き農家へ機械や資材の購入費を直接補助する仕組みではありません。国が民間団体へ定額で交付し、その団体が検討会・実証・普及活動を実施します。生産者・産地は、その実証や普及活動に参画し、開発された栽培技術・マニュアル、需要調査や販売データの分析結果などの成果を受け取る形で活用します。補助率や上限額といった個別の交付条件は、事業を実施する民間団体の公募案内で示されます。
令和8年度の予算額は728百万円で、前年度と同額です。自分の産地の課題(高温、売れ筋の変化、販路、物流)がどの取組に当てはまるかを見極め、地域や全国で事業を担う団体の公募・参加募集に手を挙げるのが活用の入り口になります。
活用の流れ
生産者・産地が支援の成果を受け取るまでの流れは、次のとおりです。
- 国が花き支援対策の予算を、事業を実施する民間団体へ定額で交付します。
- 民間団体が、高温対策・品目転換・流通効率化・需要増進の検討会や実証、普及活動を計画します。
- 生産者・産地が、自分の課題に合う取組の参加募集・公募に応募し、実証や普及活動に参画します。
- 実証で得た栽培技術・マニュアル、需要調査や販売データの分析結果が生産者へフィードバックされ、現場の生産・出荷・販売に生かせます。
事業目標
国は、花き産出額を3,684億円(令和4年)から4,500億円(令和12年まで)へ増やす目標を掲げています。高温への対応や需要に合った品目づくり、流通の効率化、新規購買層の開拓を組み合わせ、需要に合わせた安定生産・安定供給を後押しします。
よくある質問
個人の花き農家も対象になりますか
この事業は国から民間団体へ交付され、団体が検討会・実証・普及活動を実施します。個人の生産者は、その実証や普及活動へ参画し、成果(栽培技術・マニュアル、需要調査や販売データの分析)を受け取る形で活用できます。参加の条件は、事業を実施する団体の公募・参加募集で確認してください。
補助率や上限額はいくらですか
国から民間団体への交付は定額です。生産者向けの補助率・上限額といった個別の交付条件は、事業を実施する民間団体の公募案内で示されるため、対象になりうる取組を選んだうえで最新の募集内容をご確認ください。
高温障害への対策は優先されますか
優先されます。高温障害の回避・軽減に向けた取組には優先枠が設けられ、遮光・遮熱資材や細霧冷房などの技術、高温耐性・病害虫抵抗性品種への転換の実証などを進めやすくなっています。
どんな花きが対象ですか
切り花・鉢物・花壇苗・球根など花き全般が想定されます。需要のある品目・品種への転換や、ホームユース向けの品目づくりも支援の対象です。
キーワード解説
ジャパンフラワー強化プロジェクト
国産の花きについて、生産・流通・需要の各面から強化をめざす農林水産省の取組の総称です。花き支援対策は、このプロジェクトを支える予算事業の一つです。
持続的生産強化対策事業
作物ごとの安定生産・安定供給を後押しする農林水産省の対策事業です。花き支援対策は、この事業の中に置かれた花き向けの支援メニューです。
ホームユース
冠婚葬祭や業務用ではなく、自宅で楽しむ日常使いの花の需要を指します。新規購買層の開拓が期待され、需要拡大の重点に位置づけられています。
花き流通標準化ガイドライン
花きの物品・情報の流通を効率化するため、取引データや輸送のやり方をそろえる指針です。パレット・台車など輸送基盤の標準化やデータ連携の土台になります。