認定輸出促進団体(通称・品目団体)は、輸出促進法に基づき国が認定する、輸出重点品目ごとの輸出促進の中核となる法人です。品目団体が担う輸出促進業務、認定の要件、認定のメリットとなる国・関連機関の支援、認定団体一覧の確認先を解説します。
概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 誰が | 農林水産物・食品の輸出促進を目的とし、輸出のための取組を行う者が組織する法人が申請者です。構成員には、対象品目の生産・流通・販売に関わる事業者が含まれます。 |
| 何を | 国による認定、輸出促進業務(必須・任意)、認定要件、認定のメリットとなる国・関連機関の支援、体制イメージを解説します。 |
| いつ・どこで | 所管は原則農林水産大臣です。酒類(清酒・ウイスキー・本格焼酎・泡盛)のみ財務大臣が所管します。申請書類・認定基準の正本は認定規程と農林水産省の案内に従います。 |
| 詳細はどこで | 農林水産省「農林水産物・食品輸出促進団体の認定制度について」、同ページ掲載の「認定制度の概要(PDF)」をご覧ください。最新の認定団体一覧も同ページから確認できます。 |
認定輸出促進団体(品目団体)とは
認定輸出促進団体の正式名称は認定農林水産物・食品輸出促進団体です。輸出品目ごとに、生産から販売に至る関係者が連携して輸出の促進を図る法人を、法人からの申請に基づき国が認定します。農林水産物又は食品の輸出の促進を図ることを目的として、輸出のための取組を行う者が組織する団体が対象です。
認定輸出促進団体は、輸出先国でのニーズ調査等の調査研究や、商談会参加等による需要開拓、輸出事業者に対する情報提供を行います。必要に応じて、輸出促進のための規格の策定や、任意のチェックオフの業務も担います。品目ごとにオールジャパンの体制を整えるこの制度は、農林水産物・食品の「海外から稼ぐ力」の強化を支える施策の一つです。
輸出促進業務と認定のメリット
必須業務
認定輸出促進団体が行う輸出促進業務のうち、次の三つは必須です。
- 輸出先国の市場・輸入条件等の調査研究
- 商談会への参加、広報宣伝等による需要開拓
- 輸出に関する事業者への情報提供及び助言
任意業務
次の業務は、団体の判断で任意に実施できます。
- 品質・包装等の輸出促進に必要な規格の策定
- 会員等の同意を得て、生産量等に応じた拠出金を収受し、輸出促進のための環境整備に充てる仕組みの構築・運用(任意のチェックオフ)
規格づくりが輸出力の強化につながる仕組みは、JASの国際標準化と輸出力強化の事業解説で詳しく取り上げています。
認定のメリットとなる国の支援
認定を受けた団体は、次の支援を受けられます。これが認定の主なメリットです。
- 中小企業信用保険法の特例:一定の要件を満たす一般社団法人・一般財団法人を、同法の中小企業者とみなし、保証保険の対象とする
- 食品等流通合理化促進機構による債務保証:認定団体の業務に必要な資金の借入れに係る債務保証
- FAMICによる協力:(独)農林水産消費安全技術センターが、専門家の派遣その他規格の策定に関し必要な協力を行うことができる
- JETROの援助:(独)日本貿易振興機構が、輸出促進業務の実施に必要な助言その他の援助を行う(努力義務)
認定の対象となるかを確認する
認定をめざす団体は、まず次の要件に当てはまるかを確認してください。法律上の要件のほか、基本方針や省令で次の内容が決まっています。
対象とする品目
認定輸出促進団体が行う輸出促進業務の対象とする農林水産物又は食品の種類は、「海外で評価される日本の強みがあり、輸出拡大余地が大きく、関係者が一体となった輸出促進活動が効果的な品目」であることが必要です。これらは、基本的に輸出拡大実行戦略の輸出重点品目に該当します。
団体のあり方
- 品目ごとの団体数:オールジャパンとしての取組を進めるため、他の認定輸出促進団体が対象とする品目と重ならないことが原則です。
- 多様な事業者との連携:生産から販売に至る一連の行程の事業者が構成員に含まれるか、一部の行程に事業者がいない場合は当該行程の事業者の意見を聴く体制が必要です。
- 団体への加入:構成員となることを希望する者に対し、不当な差別的取扱いをしてはなりません。
- 輸出拡大のための計画:農林水産物又は食品の輸出の拡大に向けた中期的な計画を有していることが必要です。
認定の可否の判断では、輸出の拡大に資すること、生産から販売までの緊密な連携、特定の地域で生産・製造・加工された品に限定しないこと(オールジャパンでの取組)が重要です。
認定申請の流れと必要書類
認定申請には、おおむね次の書類が必要です。
- 申請書:対象品目、団体の構成員等を記載
- 業務規程等
主務大臣は、次の五つの観点で認定の可否を判断します。
- 基本方針に照らし適切であること
- 法令に違反しないこと
- 輸出の拡大に資する等の基準に適合すること(生産から販売までの連携、特定地域に限定しないオールジャパンでの取組など)
- 知識・能力・経理的基礎を有すること
- 省令で定める要件に適合すること
申請主体は法人である必要があります。主務大臣は、原則として農林水産大臣です。酒類に限り財務大臣が所管します。
産地・事業者の課題と品目団体の取組
生産者や事業者が直面する課題のうち、個社や単一の産地では対応が難しいものを、品目団体がオールジャパンで担うイメージです。課題の例として、次のような声が挙がっています。
- 海外では日本の地方名は知られにくく、日本産であることをブランド化した方がよい
- ロット確保ができず逃している販売機会があり、産地間調整の機会が必要
- 個社でのPRには限界があり、現地で効率よく各社がPRできる場が欲しい
- 様々な課題に対し、自社では具体的な対応策が分からないことが多い
- 各国で規制内容が異なり変化するため、個社で最新情報を把握し続けることは困難
- 輸送時のカビ発生等によるロスが業界共通の問題で、抑制に向けた技術開発が必要
品目団体は、個々の産地・事業者では取り組みにくい非競争分野の輸出促進活動(市場調査、ジャパンブランドによる共同プロモーション等)を行い、産地や事業者の輸出拡大の取組を下支えします。
必須業務の具体例には、輸出先国の市場・輸入条件(規制)等の調査・研究、見本市へのオールジャパン出展、バイヤー向け商談会・セミナー開催、ジャパンブランド広報の実施、輸出に関する事業者への情報提供・助言(輸出専門家による相談窓口の設置など)があります。任意業務では、包材・品質等の規格策定や、拠出金による輸出促進環境の整備(チェックオフ)を行えます。
体制のイメージ
品目の生産から販売までの関係者が連携し、オールジャパンで輸出拡大活動に取り組みます。関係者は団体に加入することで、情報提供を受けたり、団体が実施する販促活動に参加したりするメリットがあります。
事務局は、共通課題や情報を集約し、会費等により活動経費を拠出して、業界全体の輸出力強化につながる活動を企画・展開します。構成員は、おおむね次の領域に分かれます。
- 生産・製造分野:生産者、JA、産地協議会、食品メーカー等
- 流通分野:卸売業者、運送業者等
- 販売分野:輸出商社等
必要に応じ、自治体や関係団体等とも連携して活動を展開します。構成員には、直接の会員に加え、会員となっている団体の会員(孫会員)を含めることも、団体の判断により可能です。
国は法律に基づく認定と活動支援を行い、JETRO・FAMICは助言・援助・協力を提供します。
よくある質問
品目団体と認定輸出促進団体は同じものですか
同じものです。正式名称は認定農林水産物・食品輸出促進団体で、通称として品目団体と呼びます。輸出促進法に基づき国が認定する法人です。
認定された輸出促進団体の一覧はどこで確認できますか
農林水産省「農林水産物・食品輸出促進団体の認定制度について」のページで、最新の認定団体一覧を確認できます。農林水産省は同ページで認定規程や申請様式も公開しています。
対象になるのはどのような品目ですか
海外で評価される日本の強みがあり、輸出拡大余地が大きく、関係者が一体となった輸出促進活動が効果的な品目です。基本的に、輸出拡大実行戦略の輸出重点品目に該当します。
認定を受けるメリットは何ですか
中小企業信用保険法の特例、食品等流通合理化促進機構による債務保証、FAMICによる規格策定への協力、JETROによる助言・援助を受けられます。資金調達と専門的支援の両面で、輸出促進業務を進めやすくなります。
個別の農家や食品事業者は品目団体とどう関われますか
構成員として団体に加入すると、輸出に関する情報提供や助言を受けたり、団体が実施する商談会・販促活動に参加したりできます。これから輸出を始める場合は、GFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)の登録・支援も入り口になります。
認定の申請先はどこですか
原則として農林水産大臣です。酒類(清酒・ウイスキー・本格焼酎・泡盛)のみ財務大臣が所管します。申請主体は法人である必要があります。
次の一歩
団体の認定をめざす場合は、農林水産省「農林水産物・食品輸出促進団体の認定制度について」のページで認定規程・申請様式と認定団体一覧をご覧ください。生産者・事業者の方は、自分の品目に認定輸出促進団体があるかを一覧で確認し、加入や情報提供の活用を検討してください。輸出そのものの始め方や支援策の全体像は、農産物・食品の輸出の始め方と支援策の解説でつかめます。
キーワード解説
輸出促進法
正式名称は農林水産物及び食品の輸出の促進に関する法律です。認定輸出促進団体の認定、輸出基盤強化、適合施設の認定、実行計画の策定など、輸出拡大の法的・制度的基盤を定めます。
認定農林水産物・食品輸出促進団体
輸出促進法に基づき国が認定する法人です。通称「品目団体」と呼ばれ、輸出重点品目ごとに、生産から販売までの関係者が連携して輸出促進業務を行います。
輸出重点品目
輸出拡大実行戦略で選定される品目です。海外での評価や拡大余地、一体した促進の効果などを踏まえ、品目団体の対象品目の基準ともなります。
オールジャパン
特定の地域に限定せず、全国の関係者が一体となって輸出促進に取り組む考え方です。品目ごとに一つの認定団体を基本とする理由にもなります。
チェックオフ(任意)
会員等の同意を得て拠出金を収受し、輸出促進のための環境整備に充てる仕組みです。認定団体の任意業務として構築・運用できます。