みえるらべるは、環境にやさしい農業の取組を消費者に伝えるための農産物の環境ラベルです。等級(星の数)と登録番号を表示し、地域の慣行栽培と比べてどれだけ温室効果ガスの排出を減らせたかを示します。取得には農林水産省の「環境負荷低減の見える化システム」で算定と報告を行いますが、令和8年7月1日から使えるビオアプリ(BioApp)の連携で、営農管理アプリの中だけで手続きが完結し、これまで必要だった簡易算定シート(Excel)の記入・提出が不要になりました。この記事では、みえるらべるの中身と取り方、今回楽になった点を整理します。
概要
| 誰が | 温室効果ガスの削減や生物多様性の保全に取り組む生産者・農業法人・産地。環境にやさしい農業を消費者に伝えたい方。 |
| 何を | 農産物の環境負荷低減を等級と登録番号で示す「みえるらべる」を取得し、商品に表示できます。 |
| 取り方 | 農林水産省の「環境負荷低減の見える化システム」で栽培情報から算定し、登録番号を取得します。連携する営農管理アプリを使うと手続きが簡単になります。 |
| 何が変わった | 令和8年7月1日からビオアプリ(BioApp)が連携。アプリ内で算定から報告まで完結でき、簡易算定シート(Excel)の記入・提出が不要になります。 |
| 対象品目 | ビオアプリは米や野菜など23品目に対応します。 |
| 詳しくは | 農林水産省「環境負荷低減の見える化システム」のページと、利用中の営農管理アプリの提供事業者でご確認ください。 |
みえるらべるとは
みえるらべるは、生産者が行う「温室効果ガス削減への貢献」や「生物多様性の保全」といった環境負荷低減の取組を、消費者に伝えるための農産物の「見える化」ラベルです。農林水産省がラベルの愛称として「みえるらべる」を使っています。
ラベルには、地域の慣行栽培と比べた温室効果ガスの削減貢献の程度を示す等級(星の数)と、算定を経て付与される登録番号を表示します。消費者は、その農産物がどれだけ環境負荷の低減に貢献しているかを、店頭やパッケージで見て選べるようになります。環境にやさしい農業に取り組む生産者にとっては、その努力を価格や選ばれやすさにつなげる手がかりになります。
みえるらべるの取り方
みえるらべるを表示するには、農林水産省の環境負荷低減の見える化システムを使って、自分の農産物の生産段階での温室効果ガスの排出量・吸収量を算定し、登録番号を取得します。見える化システムは、算定結果からみえるらべるの等級と登録番号を自動で付与する仕組みです。農林水産省が令和7年3月に開発し、同年6月から農業データ連携基盤(WAGRI)のAPIとして提供しています。
算定では、地域の慣行栽培と比較した削減貢献率を出します。この算定と、みえるらべる表示に必要な農林水産省への算定結果の報告を、営農管理アプリを通じて行えるのが今の主な取り方です。営農管理アプリを使わずに、従来の簡易算定シート(Excel)で報告することも引き続きできます。
なお、見える化システムで登録番号を取得したあとに、農林水産省から事実確認や再算定の連絡が来る場合があります。
令和8年7月から取得手続きが簡単になりました
令和8年7月1日から、AGBIOTECH株式会社の営農管理アプリ「ビオアプリ(BioApp)」が、見える化システムの4件目の接続先としてAPI連携し、「みえるらべる取得機能」の提供を始めました。ビオアプリは、契約農家による地球環境への貢献を可視化することを目的としたアプリです。
この連携により、生産者は自らの栽培情報を使って、アプリの中で温室効果ガスの排出・吸収量と、地域の慣行栽培と比べた削減貢献率を算定できます。さらに、みえるらべる表示に必要な農林水産省への算定結果の報告も、同じアプリから行えます。これにより、従来の簡易算定シート(Excel)の記入と農林水産省への提出が不要になり、登録番号を取得するまでの時間が短くなるほか、シートを記入する負担が軽くなります。対象は米や野菜など23品目です。
ビオアプリでは、見える化システムから取得した削減貢献量を使い、栽培した米や野菜が出荷された量に応じて削減貢献量が随時加算され、アプリ内に表示されます。生産から流通・消費までを通じた環境負荷低減への貢献が、数値で追える形になります。
連携している営農管理アプリ
見える化システムと連携している営農管理アプリは、ビオアプリで4件目です。すでに利用中のアプリがあれば、そこからみえるらべるの取得に進めます。
| アプリ | 提供開始 | 対象品目 |
|---|---|---|
| クボタ「KSAS」(クボタスマートアグリシステム) | 令和7年7月30日から | 米(温室効果ガス削減貢献のみ) |
| アグリノート株式会社「アグリノート」 | 令和7年9月30日から | 米(温室効果ガス削減貢献のみ)、茶 |
| JA全農「担い手営農サポートシステム」(NEサポシステム) | 令和7年10月27日から | 米や野菜など23品目 |
| AGBIOTECH株式会社「ビオアプリ」(BioApp) | 令和8年7月1日から | 米や野菜など23品目 |
対象23品目は、現在の見える化の対象24品目のうちピーマンを除いたものです。品目や対応範囲はアプリごとに異なるため、自分が育てている作物に対応しているかを、利用中のアプリの提供事業者で確認しましょう。農林水産省は、今後も連携する営農管理アプリを増やす方針です。
みえるらべるを取るまでの流れと相談先
基本の流れは次のとおりです。
- 自分が対象か確かめる:育てている作物が見える化の対象品目(米や野菜など)か、利用中の営農管理アプリが連携しているかを確認します。
- 栽培情報を入力する:連携アプリに、自分の栽培情報を入力します。アプリが見える化システムと連携して、温室効果ガスの排出・吸収量と、地域の慣行栽培と比べた削減貢献率を算定します。
- 報告して登録番号を取得する:算定結果を、アプリから農林水産省へ報告します。みえるらべるの等級と登録番号が付与されます。
- ラベルを表示する:取得した登録番号と等級を、商品パッケージやPOPなどに表示します。
連携アプリを使わない場合は、従来どおり簡易算定シート(Excel)で算定・報告できます。制度の詳しい内容や最新の対象品目は、農林水産省「環境負荷低減の見える化システム」のページで確認できます。関連する取組は環境にやさしい農業への転換を支援する仕組みや農業の気候変動・生物多様性への対応もあわせてご覧ください。
よくある質問
みえるらべるの取得に費用はかかりますか
取得の手続きは、農林水産省の見える化システムと、連携する営農管理アプリを通じて行います。アプリの利用条件は事業者ごとに異なるため、利用中または導入予定のアプリの提供事業者でご確認ください。
簡易算定シート(Excel)はもう使えないのですか
使えます。連携した営農管理アプリを使わず、従来の簡易算定シート(Excel)で算定・報告することも引き続き可能です。アプリ連携は、その手続きを簡単にするための選択肢です。
米以外の野菜でも取得できますか
取得できます。ビオアプリやJA全農のシステムは米や野菜など23品目に対応しています。ただしKSASやアグリノートのように、当面は米(や茶)に限られるアプリもあります。自分の作物に対応しているかは、利用するアプリで確認してください。
キーワード解説
みえるらべる
農産物の環境負荷低減の取組(温室効果ガス削減への貢献・生物多様性の保全)を、消費者に伝えるための「見える化」ラベルの愛称です。地域の慣行栽培と比べた削減貢献の程度を示す等級(星の数)と、算定を経て付与される登録番号を表示します。
環境負荷低減の見える化システム
農産物の生産段階での温室効果ガスの排出量・吸収量を算定し、みえるらべるの等級と登録番号を自動で付与する農林水産省のシステムです。令和7年3月に開発し、同年6月から農業データ連携基盤(WAGRI)のAPIとして提供しています。営農管理アプリがこのAPIと連携することで、生産者はアプリ内で算定と報告を行えます。関連する国の戦略はみどりの食料システム戦略の認定と支援体制で解説しています。
削減貢献率・削減貢献量
削減貢献率は、地域の慣行栽培と比べて温室効果ガスの排出をどれだけ減らせたかを示す割合です。削減貢献量はその量で、ビオアプリでは出荷量に応じて随時加算され、アプリ内に表示されます。農業で温室効果ガスの削減を収入につなげる仕組みは農業でカーボンクレジットを売るにはもご覧ください。