概要

みどりの食料システム法に基づき認定された事業者・農林漁業者が、環境負荷の少ない資材や新商品の生産販売、流通の効率化、計画に沿った機械・設備の導入を進めるとき、国と都道府県がハード(設備)ソフト(調査・検証・広報)の両面から後押しする事業です。令和8年度当初予算の内数は574百万円、令和7年度補正の内数は4,000百万円です。

項目内容
誰が 基盤確立事業の認定事業者特定計画の認定農林漁業者、計画に資機材を供給する関連施策実施事業者、大規模有機のみどり認定農業者が主な対象です。資金は国→都道府県または民間団体等、または国→民間団体等に流れます。
何を 1.基盤確立事業認定事業者——資材・新商品の生産販売、流通効率化に向けたハード・ソフト2.特定計画認定事業者等——計画に必要な機械・設備の導入です。
いくら ハードは費用の1/2、1億円超は上限2億円。ソフトは定額で上限650万円。特定計画系は1/2で、機械200万円・施設1,000万円(管理団体あたり)が目安です(みどり交付金・総合対策の枠)。
次の一歩 自社の認定区分(基盤確立/特定計画/みどり認定)を整理し、投資候補をハードかソフトかに振り分けます。上限区分と交付経路(都道府県経由か直接か)に沿って、事業計画と見積を組み立てます。
みどりの事業活動を支える体制整備の対策のポイント、事業目標、2つの事業内容、ハード・ソフトの事業イメージ、上限額、事業の流れ、予算内数。
農林水産省「令和8年度みどりの食料システム戦略推進総合対策(当初予算)」資料(PDF):みどりの事業活動を支える体制整備

制度のねらいと事業目標

対策のポイントは、みどりの食料システム法に基づく基盤確立事業の認定事業者と、特定環境負荷低減事業活動の認定を受けた農林漁業者の事業活動を支えることです。前者は、環境負荷の少ない資材の生産・販売、環境配慮型農産物を用いた新商品の生産・販売、新たな機械・設備による流通の効率化を後押しします。後者は、認定に必要な機械・設備の導入を支援します。

事業目標は、食料システム戦略で定める令和12年度までのKPIを達成することです。中心となるのは、化学的農薬・肥料の使用削減など、環境負荷低減に直結する指標です。設備投資とソフト支援を組み合わせ、認定事業者の取組が地域に広がる体制を整えます。

2つの事業内容

1.基盤確立事業認定事業者への支援

基盤確立事業の認定事業者が、次の活動を行うときに支援します。

  • 環境負荷の少ない資材の生産・販売
  • 環境に配慮した農産物等を用いた新商品の生産・販売
  • 新たな機械・設備による流通の効率化

支援はハードソフトに分かれます。

ハード支援——機械・設備の導入

事業活動に必要な機械・設備の導入が対象です。例として、ペレット堆肥の製造設備、食品加工設備、区分管理のための小規模保管設備などがあります。国・都道府県の負担は費用の1/2以内で、事業費が1億円を超える案件の上限は2億円です。

ソフト支援——調査・検証・情報発信

次のようなソフトの取組を支援します(認定見込みの事業者を含みます)。

  • 供給者の調査
  • 効果の検証
  • 情報発信・広報——新作物の栽培検証、展示会でのPR、合意形成のための会合 等

国・都道府県の負担は定額で、上限は650万円です。設備投資の前段で市場性や効果を固めたい事業者は、ソフト枠から着手する選択肢があります。

2.特定計画認定事業者等への支援

地域の農林漁業者のうち、特定計画(環境負荷低減に関する計画)の認定を受けた者を中心に、計画の実施に必要な機械・設備の導入を支援します。

支援対象には、次の主体が含まれます。

想定される設備例は、水田除草機堆肥舎などです。国・都道府県の負担は費用の1/2以内で、管理団体あたりの上限は、機械が200万円、施設整備が1,000万円です。

上限額と負担区分の整理

支援メニューごとの上限と負担の型は、次のとおりです。

区分 対象 国・都道府県の負担 上限(目安)
ハード 基盤確立事業認定事業者 費用の1/2以内 1億円超案件は2億円
ソフト 基盤確立事業認定事業者(認定見込み含む) 定額 650万円
機械 特定計画認定事業者等 費用の1/2以内 管理団体あたり200万円
施設整備 特定計画認定事業者等 費用の1/2以内 管理団体あたり1,000万円

ハードと特定計画系は実費の半額、ソフトは定額交付——申請前に、見積・認定区分・管理団体の単位が要件と合うかを押さえます。対象経費の範囲と除外項目は、交付要綱・公募案内に沿って整理します。

事業の流れと予算

資金の流れは、次の2パターンがあります。

  • 直接交付——国(定額)→民間団体等
  • 都道府県経由——国(定額または1/2)→都道府県(1/2)→民間団体等

申請窓口と様式は、都道府県が窓口となる案件か、国・団体が直接受け付ける案件かで異なります。令和8年度当初予算の本件内数は574百万円(前年度612百万円)、令和7年度補正の内数は4,000百万円(前年度3,828百万円)です。

基盤確立の認定事業者は、大型のハードと先行のソフトを組み合わせて計画を組み立てやすくなります。特定計画・みどり認定の農業者は、管理団体単位の200万円・1,000万円の枠内で、機械と施設をどう配分するかが実務の焦点になります。

キーワード解説

みどりの食料システム戦略推進交付金

「みどりの食料システム戦略」の実現に向け、環境負荷低減や地域循環などの取組を支援する交付金の総称です。本記事のみどりの事業活動を支える体制整備は、その子事業の一つで、認定事業者・認定農林漁業者のハード・ソフトを担います。

基盤確立事業(基盤確立計画)

みどりの食料システム法に基づき、食料システムの基盤確立に向けた事業計画を策定し、認定を受けた事業者・事業です。資材・新商品・流通効率化に加え、ハード・ソフトの両面の支援対象となります。

特定計画(特定環境負荷低減事業活動)

環境負荷低減に関する特定の計画に基づき認定された農林漁業者の計画です。計画の実施に必要な機械・設備の導入が支援の中心で、関連する資材・機械を供給する事業者も対象に含まれます。

関連施策実施事業者

特定計画の認定農林漁業者に、環境負荷低減に資する資材や機械を提供する事業者です。認定者と一体のサプライチェーンとして、設備導入の支援対象に含まれます。

みどり認定農業者

みどりの食料システム法に基づく認定を受けた農業者です。大規模有機を行う認定農業者が、地域のモデル取組として機械・設備を導入する場合、特定計画系の支援メニューの対象となります。

令和12年度までのKPI

みどりの食料システム戦略で定める中期的な達成指標です。化学的農薬・肥料の使用削減など、環境負荷低減に関する数値目標があり、本件の設備・ソフト支援はその達成を支える位置づけです。