卸売市場の水曜休市は毎週ではありません。祝日でも開く日があり、祝日でなくても閉まる日があります。同じ市場に発注しても、青果と鮮魚では休みの日が違います。この記事では、休市日が何で決まるのか、なぜ部門でずれるのか、年末年始と盆はいつまで買えるのかを、市場に発注する小売店・飲食店・中食の仕入担当の目線で整理します。日付の実例は2026年(令和8年)のカレンダーによります。

対象となる方卸売市場に発注する小売店・青果店・鮮魚店・飲食店・外食チェーン・中食の仕入担当、卸・仲卸の営業
誰が決めるか市場の開設者(自治体の長)。業務条例・業務規程と、毎年公表するカレンダーで決まる
法令上の原則日曜と祝日のみ。水曜休市・盆休市は毎年指定される臨時の休み
部門差青果・水産は水曜、食肉は土曜、花きは木曜が基本。同じ水曜でも青果だけ休む日がある
確認する場所仕入れる市場の開設者が公表する年間カレンダー。部門別に取る
詳しくは主要な中央卸売市場のカレンダーに各市場の入口をまとめています

なぜ水曜休市は毎週ではないのか

農林水産省が示す中央卸売市場業務規程例の第4条は、開場日をこう定めています。

中央卸売市場は、日曜日及び国民の祝日(以下「休日」と総称する。)を除き毎日開場するものとする。

原則は日曜と祝日だけで、水曜という記載はありません。水曜休市の根拠は、同じ第4条の第2項にある「休日以外の日に開場しないことができる」という規定です。開設者がこれにもとづいて、毎年カレンダーで休む日を指定します。

休みかどうかを決めるのは曜日ではなく、その年の指定です。第2項は「休日に開場することができる」とも定めているため、祝日でも開く日が出てきます。カレンダーは毎年決め直されます。

条文で理由を明文化している市場

多くの市場はカレンダーで日付を示すだけですが、札幌市の業務規程は水曜が毎週休みにならない条件まで条文に書いています。

  • 祝日や年始の休み(1月2日〜4日、12月31日)を2日以上含む週の水曜日は、休市日にしない。休みが続く週は水曜を開けるという扱いです
  • 1月5日が日曜または水曜に当たっても、1月5日は開ける。初市を必ず立てます

同じ条文が他市にあるとは限りません。ただし運用は共通しています。大阪市・神戸市・名古屋市の条例や規則は「1月5日および12月27日から30日までの日曜日は休日から除く」と定めており、年末年始の需要期は日曜でも開けます。

同じ市場でも部門で休む日が違う

2026年の11月4日・11月25日・12月30日(いずれも水曜)は、東京都・大阪市・京都市・名古屋市・仙台市・札幌市・横浜市・広島市・神戸市・福岡市のほぼ全部で青果が休み、水産は開市でした。各市場が公式カレンダーに書いています。

市場公式カレンダーの表記
東京都「10月14日、11月4日、11月25日、12月30日は青果物のみ休市日です」
大阪市凡例に「青果部のみ臨時休業日(3日)★」。開場日数も青果247日・水産物部250日と部門別に記載
京都市第一市場凡例に「青果部のみ休場日 3」「水産物部、関連、綜合のみ休場日 0」
札幌市凡例が「休市日」「水産物部のみ休市日」「青果部のみ休市日」の3色
神戸市凡例に「■は水産物部のみ開場」

水産だけが休む日もあります。札幌市の2026年9月22日(火・国民の休日)は、水産が休みで青果は開市でした。この年の9月連休は、21日が両部門とも休み、22日は水産だけ休み、23日は両部門とも開市と、3日続けて答えが変わります。広島市では12月27日の日曜に水産だけ開けています。

広島市の施行規則は、休む日を2種類に分けています。

用語誰が決めるか中身
休場日規則で固定日曜・祝日・年末年始。市場そのものが閉まる日
休業日市長が取扱品目ごとに定めるその品目の卸売業者が営業しない日。水曜休市はこちら

水曜休市は市場が閉まる日ではなく、その品目の卸売業者が営業しない日にあたります。品目ごとに定めるものなので、青果と水産で日がずれます。東京都の条例も「市場の休業日は、市場の取扱品目ごとに、取引参加者の意見を聴いて、知事が定める」と規定しています。

休む曜日そのものが部門で違う

水曜休市があてはまるのは青果と水産だけです。

部門休む曜日確認できた市場
青果・水産水曜(毎週ではない)東京・大阪・名古屋・京都・横浜・仙台・札幌・広島・神戸・福岡
食肉土曜(+日曜・祝日)東京・横浜・仙台・名古屋南部・広島・福岡・神戸
花き木曜が基本東京(北足立・板橋・葛西)・仙台

名古屋市の施行細則は、南部市場(食肉)の休場日を「日曜日、土曜日」と規則に書いています。広島市も食肉市場を「日曜日及び土曜日」とし、これに8月6日(原爆の日)を加えています。

花きは祝日に需要が立ちます。祝日を開ける市場が多く、広島市の2026年は海の日・文化の日・勤労感謝の日のいずれも青果と水産が休みで、花きだけが開市でした。仙台市の花き部は祝日をほぼすべて臨時開市に指定しています。

東京都の花きは市場ごとにさらに割れます。北足立・板橋・葛西は毎週木曜が休みで、大田市場と世田谷市場は違います。都は「Googleカレンダー用のデータには全市場共通の休業日しか入っていない」とも注記しています。花きを扱うなら市場単位で確認してください。

年末年始はいつまで買えるか

年内に買える最終日を止め市といいます。東京都の2026年は部門ごとに次のとおりでした。

部門年内最終の開市日年末の休み
食肉12月28日12/29・30・31
青果12月29日12/30・31
花き12月29日12/30・31
水産12月30日12/31のみ

同じ豊洲でも、鮮魚を仕入れられる最終日と青果を仕入れられる最終日が1日違います。大阪・名古屋・京都・仙台・札幌も青果12月29日・水産12月30日で同じ形です。

福岡市はこの差がさらに開き、食肉12月25日・青果12月29日・鮮魚12月30日で5日あります。神戸市は初市もずれ、青果・水産が1月5日、食肉が1月6日でした。年明けに買える最初の日が部門で1日違います。

仙台市の食肉部は1月4日に「と畜開始式」として臨時開市し、5日が業務開始式でした。「市場は5日から」と一括りにせず、部門ごとに押さえてください。

盆は部門で入れ替わる

東京都の2026年8月は、13日と14日で青果・水産と食肉・花きの開閉が反転しました。

日付青果・水産食肉・花き
8月12日(水)開市食肉は休み、花きは開市
8月13日(木)開市休み
8月14日(金)休み開市
8月15日(土)・16日(日)休み休み

食肉は盆の休みが長くなります。福岡市と神戸市の食肉市場は、いずれも8月8日から17日まで10日連続で休みでした。横浜市の食肉市場も8月の開場は12日だけです。食肉を扱うなら、盆の在庫は前倒しで手当てしてください。

水曜でも祝日でも開く日がある

2026年に主要市場がそろって水曜に開市したのは3日です。

  • 5月6日(振替休日)。連休明けの補充。京都市第一市場だけはこの日を休みにしています
  • 8月12日。盆前の仕入れ需要。調べた市場すべてで開市
  • 9月23日(秋分の日)。彼岸の需要期で、祝日でも開けます

2月11日と4月29日は水曜かつ祝日でしたが、どちらも休みでした。「祝日だから休み」も「水曜だから休み」も成り立ちません。需要が立つ時期の水曜と祝日は開きます。

福岡市の2026年8月11日(山の日)は、青果が臨時開場で鮮魚と食肉は休みでした。同じ市の同じ日で答えが3通りに割れます。

なぜ全国で同じ日が揃うのか

京都市は自市のカレンダーと並べて、全国中央卸売市場協会近畿支部のカレンダーを掲載しています。この中身は大阪市が公表しているものと開場日数まで一致します。休市日の日取りは、市場協会のレベルで広域に調整されています。

調整されるのは大枠です。京都市が5月6日を休みにしたように、市場ごとの判断も残ります。全国共通のカレンダーはありません。仕入れる市場のものを直接見てください。

各市場が公表しているカレンダーの入口をまとめました。部門別にファイルが分かれている市場は、その旨を記しています。

市場カレンダー部門の分かれ方
東京都開場日・休業日青果・水産・食肉・花きで別。CSVとGoogleカレンダー用データあり
札幌市市場カレンダー1枚に青果・水産を色分け。印刷用PDFあり
仙台市休開市カレンダー青果・水産・食肉・花きで別PDF
横浜市休開市日カレンダー青果・水産・食肉で別PDF
名古屋市休開市カレンダー本場・北部・南部で別PDF
京都市休開場日カレンダー1枚に部門別の凡例。近畿支部の広域カレンダーも併載
大阪市市場カレンダー1枚に青果・水産を記号で区別
神戸市青果・水産花き食肉部門ごとにページが別
広島市休開市日一覧青果・水産・花き・食肉で別PDF
福岡市青果鮮魚食肉市場ごとにページが別

ここに載せていない市場は、市場名と「休市日」または「休開市」で検索すると開設者のページが見つかります。仕入れ先が地方卸売市場の場合は、開設者が自治体とは限りません。運営する法人や指定管理者のサイトを確認してください。

東京都の市場については、卸売市場の休市日カレンダーを用意しました。市場と部門を選ぶと年間の休市日が一覧になり、青果と水産で休みが食い違う日が色分けで出ます。カレンダーアプリに取り込めるファイルも書き出せます。

発注カレンダーを組む手順

  1. 仕入れる市場の開設者が公表する年間カレンダーを開きます。多くはPDFで、CSVやGoogleカレンダー用データを配る市場もあります。
  2. 部門ごとに別のカレンダーを取ります。青果と水産が1枚にまとまっている市場でも、記号で部門差を示しているので凡例を読みます。
  3. 年末年始の止め市と初市を先に押さえます。部門差が最も大きく、外すと年をまたいで欠品します。
  4. 盆の休みを押さえます。食肉は長期の休みになる市場があるため、別枠で確認します。
  5. 水曜のうち開く日と、祝日のうち休む日を拾い出します。例外はこの2つに集まります。
  6. 連休が2日以上続く週は、水曜が開く可能性があるものとして扱います。

休市日でも市場が無人になるわけではありません。東京都の条例は「休業日に卸売業者、仲卸業者及び関連事業者がその市場における業務(せり売または入札による卸売を除く)を行うことを妨げるものではない」と定めています。せりは立ちませんが、搬出や相対取引は動きます。広島市の規則も、休場日に臨時に営業する場合の届出を求めています。

卸売業者から直接買うには売買参加者の資格が要ります。取り方は買参権の取り方の解説記事に、市場流通の仕組みは卸売市場法改正の解説記事にまとめました。休市明けの相場は、青果物の価格を調べる方法の解説記事で日別にたどれます。

よくある質問

水曜休市は全国共通ですか

共通ではありません。休市日は市場の開設者が定めるもので、市場ごとに違います。日取りは市場協会のレベルで広域に調整されるため主要市場で一致する日は多いのですが、京都市第一市場が2026年5月6日を休みにしたように市場独自の判断もあります。仕入れる市場のカレンダーを確認してください。

青果と鮮魚で休みが違うことはありますか

あります。2026年の11月4日・11月25日・12月30日は、主要市場のほぼ全部で青果が休み、水産が開市でした。東京都・大阪市・京都市・札幌市・神戸市は公式カレンダーに明記しています。札幌市の9月22日のように水産だけ休む日、広島市の12月27日のように日曜に水産だけ開ける日もあります。部門ごとにカレンダーを取ってください。

食肉や花きも水曜が休みですか

違います。食肉は土曜、花きは木曜が基本です。名古屋市は南部市場(食肉)の休場日を規則で「日曜日、土曜日」と定め、広島市も食肉市場を「日曜日及び土曜日」としています。花きは祝日に需要が立つため祝日を開ける市場が多く、東京都では市場ごとに休みが異なります。

休市日は市場に誰もいないのですか

そうとは限りません。東京都の条例は、休業日でもせり売・入札以外の業務を行うことを妨げないと定めています。せりは立ちませんが、搬出や相対取引は動きます。広島市の規則も、休場日や休業日に臨時に営業する場合はあらかじめ市長に届け出ることとしています。

翌年のカレンダーはいつ公表されますか

市場によって時期が異なり、公表の期日を定めた共通のルールはありません。前年の秋から冬にかけて公表されることが多いので、翌年の発注計画を立てる時期に各市場のカレンダーページを確認してください。公表前の日付を他市場から推測するのは避けてください。

キーワード解説

休市日

市場が開かない日、またはその部門の卸売業者が営業しない日です。法令上は、規則で固定された「休場日」(日曜・祝日・年末年始)と、取扱品目ごとに開設者が定める「休業日」(水曜休市など)に分かれます。

止め市

年内最後の開市日です。休みに入る初日ではなく、買える最後の日を指します。部門によって1日から5日ずれます。

初市

年明け最初の開市日です。多くの市場は1月5日で、神戸市の食肉のように1月6日の市場もあります。札幌市は業務規程で、1月5日が日曜や水曜に当たっても開けると定めています。

取扱品目の部類

青果・水産物・食肉・花きといった市場内の区分です。休業日はこの部類ごとに定められるため、同じ市場でも部類が違えば休む日が違います。