概算金は、JAへ出荷する米の代金の一部を集荷の時点で受け取れる仮渡金で、玄米60キロ(1俵)当たりの金額を県ごとに全農県本部・経済連が決めます。令和8年産は早期米から発表が始まり、主食用うるち米は7月下旬から9月にかけて順次示されます。金額は産地・銘柄・年産で大きく変わるため、この記事では産地・銘柄別の水準を一覧で整理します。記録的な高値だった令和7年産を参照として示し、令和8年産は発表され次第この記事を更新します。米価全体の見通しは米政策と米価の見通しで、精算と追加払いの仕組みは概算金の仕組みで解説しています。

概要

項目内容
概算金とはJAへ出荷する米の代金の一部を集荷時に受け取れる仮渡金。玄米60キロ(1俵)当たりで提示
決める主体県単位で全農県本部・経済連が決定。地域によりJA等が独自に設定
令和8年産の発表早期米は7月に発表済み、主食用うるち米は8月下旬から9月に順次
令和8年産(早期米)宮崎コシヒカリ18,000円、高知14,000〜14,700円(玄米60キロ・1等、2026年7月)
令和7年産の水準令和6年産比でおよそ7割高。新潟の一般コシヒカリで玄米60キロ当たり30,000円
相場の裏取り農林水産省の相対取引価格。直近は全銘柄平均31,305円(玄米60キロ当たり)
最終手取り概算金と販売後の追加払い(精算金)で確定。概算金は確定価格でない

令和8年産の概算金はいつ、どこまで出ているか

令和8年産の概算金は、九州・四国の早期米から発表が始まりました。2026年7月時点で宮崎と高知の早期米が出そろい、いずれも前年産を大きく下回っています。判明した産地・銘柄別の金額は次のとおりです。

産地(JA)銘柄令和8年産の概算金(玄米60キロ・1等)発表・補足
宮崎(JAみやざき)コシヒカリ(早期米)18,000円程度2026年7月13日報道。前年産(32,000円)比で約4割安
高知(JA高知県)南国そだち14,700円2026年7月18日報道。1等・税込
高知(JA高知県)よさ恋美人14,000円2026年7月18日報道。1等・税込
高知(JA高知県)コシヒカリ14,000円2026年7月18日報道。令和6年産並みの水準

上表の日付は、各JA・経済連が示した金額を報道機関が報じた日です。JAの日付入りの公式リリースは公表されていないため、確定額は出荷先のJAが示す提示額でご確認ください。鹿児島の早期米も前年比およそ2割安と報じられていますが、玄米60キロ当たりの具体的な金額は確認できていません(2026年7月9日報道)。

主力の主食用うるち米は、これから各全農県本部・経済連が提示します。当初は令和8年産を早めに提示する方針でしたが、卸売業者との契約が進みにくく、提示は例年並みの8月下旬から9月ごろにずれ込む見込みです(2026年6月の新潟日報の報道)。早期米の大幅安は主産地の先行指標とされ、主食用も前年産を下回る可能性が指摘されています。産地ごとの確定額は、発表され次第この記事に追記します。

発表の流れ

区分時期の目安主な産地・銘柄
早期米(早場米)7月から8月宮崎・鹿児島・高知など九州・四国の産地
主食用うるち米(普通期)8月下旬から9月上旬新潟・秋田・北海道・宮城など主力産地
期中の見直し・追加払い販売の進み方しだい集荷競争を受けた引き上げや、精算後の追加払い

早期米が先に出て、主力の主食用が続く順序です。自身の経営に関わる金額は、報道の数字ではなく、出荷先のJAが示す最新の提示額で必ず確認しましょう。

令和7年産の概算金(産地・銘柄別の金額)

令和7年産の概算金は、前年からの米価上昇と集荷競争を背景に、多くの産地で令和6年産のおよそ7割高まで引き上げられ、記録的な水準となりました。令和8年産の金額を読む際の目安として、主な産地・銘柄の当初提示額を示します。

産地銘柄令和7年産の概算金(玄米60キロ・1等)補足
新潟一般コシヒカリ30,000円令和6年産17,000円比で約76%高。魚沼産コシヒカリは32,500円
秋田あきたこまち28,300円前後(当初)追加払いを含め最終3万円。現行制度下で過去最高水準
北海道ゆめぴりか30,000円ホクレン決定。前年当初比で7割超の引き上げ
北海道ななつぼし29,000円同上
宮城ひとめぼれ28,000円令和6年産比で約7割高
岡山コシヒカリ30,000円前年当初比で9,900円高
広島コシヒカリ26,000円全農ひろしまの提示

これらは全農県本部やホクレンの当初提示の代表例です。同じ県内でもJAごとに上乗せや独自の奨励金が付く場合があり、等級や検査結果でも金額は変わります。全国の県別の一覧は農業協同組合新聞(JAcom)のまとめでも確認できます。

概算金は相場とどうつながるか

概算金は前払いのため、実際の取引水準は農林水産省が毎月公表する相対取引価格で確かめます。令和7年産の相対取引価格は、直近の公表で全銘柄平均が玄米60キロ当たり31,305円、前月比6%安でした(令和8年7月17日公表、取引数量9.0万トン)。令和7年産の出回り期に付いた高値からは下落が続いています。

この相場の下落が、令和8年産の概算金が前年を下回るとみられる背景です。概算金と相対取引価格は、生産者への前払いか、出荷団体と卸売業者の間の販売価格かという立場の違いがあり、相対取引価格には運賃・包装代・消費税が含まれるため、金額をそのまま比べることはできません。ただし相対取引価格が下がれば共同計算の販売成績も下がり、追加払いの原資が細るという関係にあります。概算金で当面の資金を把握し、相対取引価格の毎月の公表で販売環境を追うのが実務的です。

概算金の金額はどう決まり、最終手取りはいつ確定するか

概算金の水準は、各県の全農県本部・経済連が、販売の見込み、運賃や保管料などの経費、その年の集荷環境を勘案して県単位で決めます。地域によってはJA等が独自に設定します。概算金は仮渡金であり、確定価格ではありません。

最終的な生産者の手取りは、米がすべて売れた後の精算で確定します。販売額が概算金と経費の合計を上回れば、差額が追加払いとして支払われます。令和7年産では、集荷競争を受けて精算を待たずに期中で概算金を引き上げ、差額を支払う動きも各地で見られました。精算と追加払いの詳しい流れは概算金の仕組みで解説しています。

よくある質問

令和8年産の概算金はいつ発表されますか

早期米は7月から、主食用うるち米は8月下旬から9月上旬にかけて、各全農県本部・経済連が順次提示します。今年は卸売業者との契約が進みにくく、提示が例年より収穫直前にずれ込む見込みです。産地ごとの確定額はこれから出そろいます。

令和8年産は令和7年産より上がりますか、下がりますか

相対取引価格が直近で31,305円まで下落し、早期米や主力産地の見通しでも前年産を下回る可能性が指摘されています。ただし確定した金額は、各産地の全農県本部・経済連の発表を待つ必要があります。

概算金は最終的に受け取れる金額ですか

いいえ。概算金は仮渡金(前払い金)で、米の販売が終わった後の追加払い(精算金)で最終手取りが確定します。販売が好調なら追加払いが増え、振るわなければ追加払いはわずかになります。

概算金は誰が決めますか

県単位で全農県本部・経済連が、産地・銘柄・等級ごとに玄米60キロ当たりの金額を決めます。地域によってはJA等が独自に設定します。

自分の産地の金額はどこで確認できますか

出荷先のJAが示す最新の提示額で確認しましょう。報道で目にする金額は特定の県・銘柄の例であり、同じ県でもJAごとに上乗せや奨励金で変わります。

次の一歩

概算金は、米価全体の動きや国の米政策とあわせて理解すると判断の精度が上がります。米の需給と価格の見通しは米政策と米価の見通しで、価格高騰時の供給対策として注目された仕組みは政府備蓄米で解説しています。自身の産地の最新の概算金は出荷先のJAが示す提示額で把握し、毎月の相対取引価格は農林水産省のページでご覧ください。

キーワード解説

概算金

JAへ出荷契約した米について、JAグループが集荷の時点で代金の一部を前払いする資金です。仮渡金や内金とも呼ばれます。国の制度ではなくJAグループの商慣行で、玄米60キロ(1俵)当たりの金額を県単位で全農県本部・経済連が決めます。

追加払い(精算金)

米の販売が終わった後の共同計算で、販売代金から経費と概算金を差し引いた残りを、出荷量に応じて生産者へ支払うお金です。販売が好調なら金額が増え、最終手取りは概算金と追加払いの合計で確定します。

相対取引価格

出荷団体と卸売業者の間で結ばれた取引契約の価格を、農林水産省が毎月集計・公表する統計です。運賃・包装代・消費税を含む1等米の価格で、産地銘柄別と全銘柄平均が公表され、米価の動向を示す代表的な指標です。

早場米(早期米)

一般的な産地より早く収穫・出荷される米です。宮崎・鹿児島・高知など九州・四国の産地が7月から出荷を始め、その年の概算金の水準をいち早く示します。