概算金は、JAへ出荷する米の代金の一部を集荷の時点で受け取れる仮渡金で、玄米60キロ(1俵)当たりの金額を県ごとに全農県本部・経済連が決めます。令和8年産は7月の九州・四国の早期米から始まり、9月10日時点で主食用うるち米も22産地が金額を示し、主産地はほぼ出そろいました。水準は奈良の12,600円から富山の20,800円までで、下落率はおおむね3〜4割です。残るのは青森・福島・長野などで、岡山は概算金の設定を11月に先送りしました。この記事では産地・銘柄別の金額を価格表で示し、発表され次第更新します。米価全体の見通しは米政策と米価の見通し、精算と追加払いの仕組みは概算金の仕組みで解説しています。

更新情報(2026年9月10日):山形・茨城・奈良・熊本(JA阿蘇)の4産地を追加しました。山形(全農やまがた)は9月7日に決定し、「はえぬき」17,000円・「つや姫」20,000円・「雪若丸」17,200円(前年比11,000〜11,400円安)。茨城は県内JAの生産者概算金でコシヒカリ17,000円・あきたこまち15,000円です。奈良(JAならけん)はコシヒカリ13,100円・キヌヒカリ12,600円と、金額が判明している主食用うるち米で最も低い水準になりました。熊本のJA阿蘇は仮払金13,020円に年内の「安定供給加算金」3,000〜6,000円を組み合わせる方式です。日本農業新聞は9月10日、主産地の概算金が出そろったとして「25年産比3〜4割安」と総括しました。残るのは青森・福島・長野などで、発表され次第この記事を更新します。

概要

項目内容
概算金とはJAへ出荷する米の代金の一部を集荷時に受け取れる仮渡金。玄米60キロ(1俵)当たりで提示
決める主体県単位で全農県本部・経済連が決定。地域によりJA等が独自に設定
令和8年産(主食用うるち米)奈良12,600円から富山「富富富」20,800円までの幅で、9月10日時点で22産地。新潟18,500円・秋田18,300円・山形17,000円・宮城17,000円・岩手17,200円・北海道17,000円・茨城17,000円・栃木15,500円・広島15,600円・奈良13,100円ほか(産地・銘柄別の表
令和8年産(早期米)高知14,000円から鹿児島「金峰コシヒカリ」21,600円までの幅。7月から8月上旬に九州・四国と千葉で提示
これから出る産地青森・福島・長野など(主産地はほぼ出そろい)。岡山は概算金を11月に先送りし「出荷一時払金」10,200円を先に支払う。佐賀は最低価格の提示を見送り
前年産との差おおむね3〜4割安。金額・率とも熊本(JA阿蘇)の17,220円安(約57%安・年内に加算金3,000〜6,000円を支払う予定)が最大で、最も小さいのは富山の約23%安。栃木は前年の追加払い後の最終額と比べると50%安
支払いの段階北海道・新潟・富山・石川・岩手・秋田・宮城・山形・栃木・愛知・静岡・鳥取などは全農県本部・経済連・ホクレンがJAへ払うJA概算金。福井・島根・香川・三重・広島・山口・山梨・岐阜・茨城・奈良などはJAが生産者へ払う生産者概算金。JA概算金からはJAの経費が引かれるため、両者を同じ水準として比べられない
決定と報道の区別各表の補足に明記。【決定】=JA・全農が自ら公表した金額(福井・新潟・富山・島根・岐阜と岡山の一時払金)。【報道】=取材で判明し、JAは金額を公表していない金額。【報道】もJAが決めた金額で、未決定という意味ではない
令和7年産の水準令和6年産比でおよそ7割高。新潟の一般コシヒカリで玄米60キロ当たり30,000円
コスト指標との関係米のコスト指標(生産段階)は玄米60キロ当たり20,535円。これを上回るのは早期米の鹿児島・熊本と、主食用うるち米では新潟の魚沼コシヒカリ21,000円・富山の富富富20,800円だけ
最終手取り概算金と販売後の追加払い(精算金)で確定。概算金は確定価格でない

令和8年産の概算金はいつ、どこまで出ているか

令和8年産の概算金は、九州・四国の早期米から発表が始まりました。7月末までに宮崎・鹿児島・熊本・高知が金額を示し、7月28日には関東の早場米として千葉、8月4日には愛媛、7日には佐賀と香川、10日には徳島が続きました。いずれも前年産を大きく下回り、下落は西日本から東日本へ広がっています。

表の補足にある【決定】は、JA・全農が自ら公表した金額です。【報道】は取材で判明した金額で、JA・全農は公表していません。【報道】もJAが決めた金額ですが、対象の銘柄や前年産との比較が示されないことがあります。

産地(JA)銘柄令和7年産(前年産)令和8年産前年産との差補足
宮崎(JAみやざき)コシヒカリ(早期米)32,000円18,000円程度約14,000円安(約4割安)【報道】2026年7月13日報道。7月24日までに出荷されたJA米の場合
宮崎(JAみやざき)夏の笑み(早期米)16,400円程度約4割強安【報道】2026年7月15日報道。7月24日までに出荷されたJA米の場合
熊本(JA熊本経済連)コシヒカリ(早期米)30,000円20,700円9,300円安(約31%安)【報道】2026年7月28日報道(27日に決めたことが分かったと伝えられた)。JA熊本経済連は金額を公表していない
鹿児島(JAさつま日置)金峰コシヒカリ(早期米)21,600円約2割安【報道】2026年7月23日報道。南さつま市の早期米。一昨年より少し高い水準
高知(JA高知県)南国そだち22,700円14,700円8,000円安(約35%安)【報道】2026年7月18日報道・1等税込
高知(JA高知県)よさ恋美人22,000円14,000円8,000円安(約36%安)【報道】2026年7月18日報道・1等税込
高知(JA高知県)コシヒカリ22,000円14,000円8,000円安(約36%安)【報道】2026年7月18日報道。令和6年産並みの水準
愛媛(県内のJA)コシヒカリ(早期米)15,400円前年価格の約54%(約46%安)【報道】2026年8月4日報道・1等米(JA米)。JA名は特定されていない
愛媛(全農えひめ)コシヒカリ(早期米)16,567円令和6年産当初(17,496円)並み【報道】2026年8月4日判明・5日報道。概算金ではなく全農県本部がJAから買い取る買い取り価格
徳島(JA徳島県)コシヒカリ(早期米)30,000円程度16,600円13,400円安(約45%安)【報道】2026年8月11日報道(10日に判明)。決定日は特定されていない。30キロ8,300円を60キロ換算。買い取り価格として提示
徳島(JA徳島市)コシヒカリ(早期米)30,024円程度16,632円13,392円安(約45%安)【報道】2026年8月11日報道(10日に判明)。30キロ8,316円を60キロ換算した概算金
徳島(JA東とくしま)コシヒカリ(早期米)30,024円程度16,610円13,414円安(約45%安)【報道】2026年8月11日報道(10日に判明)。30キロ8,305円を60キロ換算した概算金
千葉(JA全農ちば)コシヒカリ23,800円(当初)18,000円5,800円安(約24%安)【報道】2026年7月28日報道。関東の早場米で最初の提示
佐賀(JAさが)七夕こしひかり(早期米)18,000円【報道】2026年8月7日報道。白石町で8月上旬から出回る極早生品種。生産者概算金で、JAさがは金額を公表していない
香川(JA香川県)コシヒカリ26,100円程度18,000円8,100円安(約31%安)【報道】2026年8月7日報道。仮渡金。JAの決定日は特定されていない。前年産は報道の「約3割・8,100円安」から逆算した参考値

令和7年産は令和6年産に比べておよそ7割高い記録的な水準だったため、早期米では玄米60キロ当たり5,800〜14,000円規模の下落になりました。下げ幅には産地差があり、鹿児島「金峰コシヒカリ」の約2割安から愛媛の約46%安まで開いています。金額は等級や検査結果でも変わります。

四国は下げ幅の大きい産地が集中しました。徳島は3JAとも玄米60キロ換算で16,600円前後、前年産から約45%の下落で、県内3JAの金額がほぼ横並びです。JAごとの上乗せ余地がほとんどなくなっていることを示しています。瀬戸内でも、JA香川県のコシヒカリ18,000円はコスト指標20,535円を2,500円あまり下回り、JAの担当者は追加払いで指標に近づけたい考えを示しています。

主食用うるち米の概算金は奈良12,600円から富山20,800円まで

主力の主食用うるち米は、8月10日までに提示された愛知(コシヒカリ16,800円)から9月7日の山形・奈良・熊本(JA阿蘇)まで、1か月で22産地に広がり、主産地はほぼ出そろいました。作付面積が全国最大の新潟が18,500円、東北は岩手17,200円・秋田18,300円・宮城17,000円・山形17,000円と17,000円台に並び、関東は栃木15,500円・茨城17,000円です。自ら金額を公表した【決定】は福井・新潟・富山・島根・岐阜で、ほかは取材で判明した【報道】です。

産地(JA)銘柄令和7年産(前年産)令和8年産前年産との差補足
愛知(JAあいち経済連)コシヒカリ28,500円16,800円11,700円安(約41%安)【報道】2026年8月10日までに提示・11日報道。JA概算金(経済連→JA)。経済連は金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
愛知(JAあいち経済連)あきたこまち31,000円16,800円14,200円安(約46%安)【報道】同上。コシヒカリと同額。下げ幅は主食用うるち米で最大
愛知(JAあいち経済連)ミネアサヒ18,300円【報道】同上。中山間地の銘柄で県内で最も高い。前年産との比較は公表されていない
福井(JA福井県)コシヒカリ29,000円17,000円12,000円安(約41%安)【決定】2026年8月13日にJA福井県が臨時理事会で決定。1等・内金で生産者概算金(JA→農家)。県内の主力銘柄
福井(JA福井県)いちほまれ30,400円18,000円12,400円安(約41%安)【決定】2026年8月13日決定。県のブランド米で県内最高値
福井(JA福井県)ハナエチゼン28,000円16,000円12,000円安(約43%安)【決定】2026年8月13日決定。県内では早生で8月上旬から収穫
福井(JA越前たけふ)コシヒカリ29,000円17,000円12,000円安(約41%安)【決定】2026年8月13日に提示。生産者概算金。JA福井県と同額
福井(JA越前たけふ)ハナエチゼン28,000円16,000円12,000円安(約43%安)【決定】同上。JA福井県と同額
福井(JA越前たけふ)いちほまれ30,400円18,000円12,400円安(約41%安)【決定】同上。JA福井県と同額
福井(JA越前たけふ)日本晴29,000円17,000円12,000円安(約41%安)【決定】同上。JA越前たけふ独自の銘柄。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
福井(JA越前たけふ)あきさかり31,000円19,000円12,000円安(約39%安)【決定】同上。管内で最も高い銘柄。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
新潟(全農にいがた)一般コシヒカリ30,000円(当初)18,500円11,500円安(約38%安)【決定】2026年8月18日に全農にいがたが決定・公表。1等・税込でJA概算金(全農→JA)。生産者概算金は各JAが設定する。魚沼・佐渡・岩船産以外の県内産が対象
新潟(全農にいがた)魚沼コシヒカリ32,500円21,000円11,500円安(約35%安)【決定】同上。主食用うるち米でコスト指標20,535円を上回る唯一の銘柄
新潟(全農にいがた)佐渡コシヒカリ30,300円18,800円11,500円安(約38%安)【決定】同上。岩船産と同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
新潟(全農にいがた)岩船コシヒカリ30,300円18,800円11,500円安(約38%安)【決定】同上。佐渡産と同額
新潟(全農にいがた)新之助31,000円19,000円12,000円安(約39%安)【決定】同上。令和6年産比は+1,000円
新潟(全農にいがた)こしいぶき27,000円17,000円10,000円安(約37%安)【決定】同上。下げ幅は県内の主食用で最も小さい
富山(全農とやま)コシヒカリ26,000円20,000円6,000円安(約23%安)【決定】2026年8月19日に全農とやまが決定・公表。1等・税込でJA概算金(全農→JA)。下げ幅6,000円は記録のある過去20年で最大
富山(全農とやま)富富富26,800円20,800円6,000円安(約22%安)【決定】同上。県内最高値で、コスト指標20,535円を265円上回る
富山(全農とやま)てんたかく26,000円20,000円6,000円安(約23%安)【決定】同上。コシヒカリと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
富山(全農とやま)てんこもり26,000円20,000円6,000円安(約23%安)【決定】同上。コシヒカリと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
北海道(ホクレン)ゆめぴりか30,000円(当初)18,000円12,000円安(約40%安)【報道】2026年8月20日に「うるち米全道共計運営会議」で決定・21日報道。1等でJA概算金(ホクレン→JA)。ホクレンは金額を公表していない。令和6年産比では500円高い。この銘柄は報道が分かれています
北海道(ホクレン)ななつぼし29,000円(当初)17,000円12,000円安(約41%安)【報道】同上。道内作付面積の約半数を占める主力銘柄。令和6年産比では500円高い。需給改善を前提に追加払いをめざす考えとみられる
静岡(JA静岡経済連)コシヒカリ14,040円【報道】2026年8月18日までに提示・同日報道。1等でJA概算金(経済連→JA)。経済連は金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。令和8年産の主食用うるち米で最も低い水準。前年産の金額は報じられていない
岩手(全農いわて)ひとめぼれ28,000円(当初)17,200円10,800円安(約39%安)【報道】2026年8月21日に県内7JAの組合長らが協議して決定・同日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。現在の概算金の仕組みになった2015年以降で最大の下げ幅。前年産は追加払い後31,000円
岩手(全農いわて)銀河のしずく17,700円【報道】同上。県のブランド米で、ひとめぼれより500円高い。前年産との比較は報じられていない
石川(全農いしかわ)コシヒカリ25,200円(当初)17,500円7,700円安(約31%安)【報道】2026年8月21日に決定し県内各JAへ提示・22日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。全農いしかわは金額を公表していない。令和6年産当初を1,300円上回る水準。前年産は期中に31,200円へ引き上げられた
石川(全農いしかわ)ひゃくまん穀27,000円17,500円9,500円安(約35%安)【報道】同上。県独自品種でコシヒカリと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
石川(全農いしかわ)ゆめみづほ24,300円16,500円7,800円安(約32%安)【報道】2026年8月25日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。県が育成したわせ品種で、同日に県内の店頭で新米の販売が始まった。全農いしかわは金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。県内で最も早く金額が分かる銘柄
鳥取(全農とっとり)主要銘柄(一律)22,000円16,000円6,000円安(約27%安)【報道】2026年8月21日に決定・22日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。県内JAが扱ううるち米・もち米などの主要銘柄を一律で設定し、翌年夏に精算金を予定。前年産も銘柄一律
三重(県内の複数のJA)コシヒカリ(提示額の下限)30,000〜33,000円程度16,700円4割以上安【報道】2026年8月21日報道。1等で生産者概算金(JA→農家)。JA名は特定されていない。一部のJAは10月以降さらに約5,000円低い12,000円ほどを提示
三重(県内の複数のJA)コシヒカリ(提示額の上限)30,000〜33,000円程度18,500円4割以上安【報道】同上。県内の複数JAの提示額は16,700〜18,500円の幅がある
島根(JAしまね)コシヒカリ28,400円16,000円12,400円安(約44%安)【決定】2026年8月24日にJAしまねが公表。1等で生産者概算金(JA→農家)。全銘柄で過去最大の下げ幅。令和8年産では「最低保証価格」の提示を見送っていた
島根(JAしまね)きぬむすめ28,000円15,800円12,200円安(約44%安)【決定】同上。県内で作付けの多い銘柄で、3銘柄のうち最も低い
島根(JAしまね)つや姫29,200円16,600円12,600円安(約43%安)【決定】同上。令和7年産は特別栽培米として29,200円。3銘柄のうち最も高い
広島(JAひろしま)コシヒカリ26,000円15,600円10,400円安(40%安)【報道】2026年8月24日に決定・26日に農家へ通知と報道(8月27〜28日報道)。1等で生産者概算金(JA→農家)。JAひろしまは金額を公表していない。今年は県一律でなく各地域JAが発表する異例の対応で、県内で最初。前年産26,000円は全農ひろしまの提示額
秋田(全農あきた)あきたこまち28,300円(当初)18,300円10,000円安(約35%安)【報道】2026年8月28日の全県JA組合長会議で決定・31日報道。1等でJA概算金(全農→JA)。前年産は追加払いを含め最終3万円。「コスト指標の水準をめざし販売対策に力を尽くす」としている
秋田(全農あきた)サキホコレ32,300円20,300円12,000円安(約37%安)【報道】同上。県ブランド米で、コスト指標20,535円まで235円に迫る。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
岐阜(JAぎふ)コシヒカリ16,300円【決定】2026年8月31日にJAぎふが公式サイトで公表。1等・60キロ紙袋単価・税込で生産者概算金(JA→農家)。JA米要件を満たし出荷契約のある米が対象で、2等15,976円・3等14,896円。前年産との比較は公表されていない
岐阜(JAぎふ)ひとめぼれ15,200円【決定】同上。2等14,876円・3等13,796円
岐阜(JAぎふ)あさひの夢14,300円【決定】同上。2等13,976円・3等12,896円
岐阜(JAぎふ)にじのきらめき14,500円【決定】同上。2等14,176円・3等13,096円。ハツシモは9月下旬に提示予定
山口(JA山口県)コシヒカリ26,400円程度16,380円10,020円安(約38%安)【報道】2026年9月1日報道。1等(整粒歩合80%以上・タンパク質7.0%未満)で生産者概算金(JA→農家)。決定日は特定されていない。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
山口(JA山口県)ヒノヒカリなど8銘柄25,020円程度15,000円10,020円安(約40%安)【報道】同上。ヒノヒカリ・ひとめぼれ・晴るる・きぬむすめ・恋の予感・にこまる・あきまつり・ミルキークイーンの8銘柄が一律1等15,000円
山梨(JA梨北)コシヒカリA18,540円【報道】2026年9月1日に決定・2日報道。30キロ9,270円の60キロ換算で生産者概算金(JA→農家)。前年産との比較は報じられていない。「梨北米」はほぼ県内で流通する
栃木(全農とちぎ)コシヒカリ28,000円(当初)15,500円12,500円安(約45%安)【報道】2026年9月3日に決定・同日報道。玄米60キロ・税込でJA概算金(全農→JA)。前年産は追加払い3,000円を含め最終31,000円で、最終額と比べると50%安。県内の作付面積が前年比約21%増
宮城(全農みやぎ)ひとめぼれ28,000円(当初)17,000円11,000円安(約39%安)【報道】2026年9月4日報道。JA概算金(全農→JA)で、各JAがこれを目安に生産者概算金を決める。引き下げは5年ぶり。県内の出荷量は前年比1割以上増
宮城(全農みやぎ)ササニシキ29,300円17,000円12,300円安(約42%安)【報道】同上。ひとめぼれと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
宮城(全農みやぎ)だて正夢29,300円17,000円12,300円安(約42%安)【報道】同上。ひとめぼれと同額。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
山形(全農やまがた)はえぬき28,000円17,000円11,000円安(約39%安)【報道】2026年9月7日の運営委員会で決定・8〜9日報道。1等・税込でJA概算金(全農→JA)。前々年(令和6年産)比では+500円。需給環境が大きく改善し販売が見通しを超えて好転した際は追加の支払いを検討するとしている
山形(全農やまがた)つや姫31,000円20,000円11,000円安(約35%安)【報道】同上。県ブランド米で県内最高値。コスト指標20,535円には535円届かない。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
山形(全農やまがた)雪若丸28,600円17,200円11,400円安(約40%安)【報道】同上。前々年比+100円。前年産は報道の前年比から逆算した参考値
茨城(県内のJA)コシヒカリ17,000円【報道】2026年9月1日報道。1等で生産者概算金(JA→農家)。JA名は特定されていない。全農いばらきのJA概算金をもとに決めたとされるが、全農いばらきは金額を公表していない。前年の全農いばらき当初30,000円とは支払いの段階が違うため、前年差は記載しない
茨城(県内のJA)あきたこまち15,000円【報道】同上。コシヒカリより2,000円低い
奈良(JAならけん)コシヒカリ13,100円【報道】2026年9月7日報道。1等・税込で生産者概算金(JA→農家)。JAならけんは金額を公表しておらず、決定日も特定されていない。在庫過剰で販売の長期化を見込み、流通・保管経費の増加を勘案した。余剰が見込まれる時は精算を実施する
奈良(JAならけん)ヒノヒカリ・きぬむすめ・にじのきらめき13,000円【報道】同上。3銘柄とも同額
奈良(JAならけん)ひとめぼれ・あきたこまち12,700円【報道】同上。2銘柄とも同額
奈良(JAならけん)キヌヒカリ12,600円【報道】同上。金額が判明している令和8年産の主食用うるち米で最も低い
熊本(JA阿蘇)コシヒカリ(特別栽培米)30,240円13,020円17,220円安(約57%安)【報道】2026年9月7日の米集荷推進大会で発表・9日報道。特栽米1等・税込の仮払金で、生産者概算金(JA→農家)にあたる。前年出荷した組合員に12月末までに3,000〜6,000円の「安定供給加算金」を支払う予定。報道の見出しは13,200円だが、前年差17,220円安と整合する本文の13,020円を採った

金額を比べる前に、支払いの段階を確かめる必要があります。新潟・愛知・岩手・石川・鳥取・北海道・静岡・富山・秋田・宮城・山形・栃木の金額は全農県本部・経済連・ホクレンがJAへ払うJA概算金で、福井・島根・香川・三重・広島・山口・山梨・岐阜・茨城・奈良・熊本(JA阿蘇)はJAが生産者へ払う生産者概算金です。JA概算金からはJAの手数料などが差し引かれるため、新潟の18,500円と福井の17,000円を1,500円差として単純に比べることはできません。

石川は前年の見え方が2つあります。令和7年産は当初25,200円で、期中に31,200円まで引き上げられました。「前年は3万円台」という記憶で比べると下げ幅は14,000円近くに見えますが、当初額どうしなら7,700円安です。期中の引き上げを含む金額と当初額を混ぜると、下げ幅を過大に見積もってしまいます。

北海道の「ゆめぴりか」は、報道機関によって金額が18,000円と18,500円に分かれています。この記事は18,000円を採っています。日本農業新聞は「ゆめぴりか18,000円・ななつぼし17,000円」とし、どちらも前年産比12,000円安・令和6年産比500円高と説明していて、2銘柄の説明が揃うためです。STVニュース北海道も18,000円と報じました。一方でHTB北海道ニュースと北海道ニュースUHBは18,500円と伝えています。ホクレンは金額そのものを公表していないため、どちらが正しいかを一次資料で確かめることは現時点でできません。テレビで18,500円と聞いた方は、この差が銘柄内のたんぱく区分による違いの可能性もあるため、出荷先のJAに自分の等級・区分での金額を確認してください。

三重には、これまでなかった動きが出ました。県内の複数JAがコシヒカリ1等に16,700〜18,500円を提示したうえで、一部のJAが「10月以降はさらに約5,000円低い12,000円ほど」を同時に示しています。同じ産地・同じ銘柄でも、いつ出荷するかで手取りが変わります。

9月に入り、東北・関東の主産地が出そろいました。秋田18,300円・宮城17,000円は先行した岩手17,200円とほぼ横並びで、東北の主食用は17,000〜18,300円に収れんしています。関東で最初に出た栃木の15,500円は前年当初比では約45%安ですが、前年産は追加払い3,000円を加えた最終31,000円だったため、最終手取りと比べるとちょうど半額です。中国地方も広島15,600円・山口16,380円・鳥取16,000円・島根16,000円と16,000円前後に並びました。山梨のJA梨北は「コスト指標を目標に卸と交渉したが『30キロ1万円以上では買えない』と言われた」と説明しており、卸が令和7年産の在庫を抱えたままでは、後から出る産地ほど強気の金額を出しにくい状況です。

関西と九州では、これまでの下限を更新する動きが出ました。奈良(JAならけん)はコシヒカリ13,100円・キヌヒカリ12,600円と、静岡の14,040円を下回る全国で最も低い水準です。熊本のJA阿蘇は仮払金を13,020円に抑える代わりに、前年出荷した組合員へ年内に「安定供給加算金」3,000〜6,000円を支払う方式を採り、名目の金額だけでは産地間を比べられなくなっています。東北は山形17,000円が加わり、前年産がそろって28,000円だった岩手・宮城・山形の3県が17,000円台で横並びになりました。

金額を読む物差し:コスト指標20,535円

米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が令和8年4月に公表した米のコスト指標は、生産段階で玄米60キロ当たり20,535円です。令和8年産でこれを上回るのは、早期米の鹿児島「金峰コシヒカリ」21,600円・熊本20,700円と、主食用うるち米の新潟・魚沼コシヒカリ21,000円・富山「富富富」20,800円だけで、ほかはすべて標準的な生産費を回収できない水準です。秋田の県ブランド米「サキホコレ」は20,300円で指標まで235円、山形の「つや姫」は20,000円で535円に迫りますが届きませんでした。指標の位置づけは農産物の価格転嫁とコスト指標で解説しています。

背景にあるのは需給の緩みです。令和8年6月末の民間在庫は243万玄米トンで前年の155万トンから88万トン増え、国の需給見通しでは令和9年6月末も242〜260万玄米トンと減りません。作柄も供給を押し上げる方向で、農林水産省が8月31日に公表した作柄概況(8月15日現在)では、10アール当たり収量が平均を「やや上回る」見込みの道府県が24に上ります。令和7年産の水準へ戻る材料は現時点で見当たりません。

まだ金額が出ていない産地の見通し(主食用うるち米)

金額が出た22産地に続いて、残る産地もこれから提示します。卸売業者との契約が進みにくく提示は例年より遅れ気味で、概算金の設定自体を11月へ先送りする産地も出ています。

産地現時点の状況示されている見方・提示時期令和7年産(前年産)出典・時点
青森金額未提示生産者概算金が2万円を割り込むとの見方が広がっていると報道30,000円(過去最高)2026年7月報道
佐賀金額未提示(主食用うるち米)JAグループ佐賀が主食用うるち米の最低価格の提示を見送り。早期米には18,000円を設定済みさがびより29,500円(前年同期の約1.8倍)2026年8月7日報道
岡山概算金は11月中に設定(先送り)JA晴れの国岡山が8月31日、まず「出荷一時払金」60キロ10,200円(主食用うるち米・もち米の全品種一律)を検査時に支払い、12月に概算金との差額を追加払いする二段方式を決定。JA岡山も概算金を遅らせ同水準の一時金を検討と報道コシヒカリ30,000円2026年8月31日 JA晴れの国岡山公表
福島金額未提示提示はまだ確認されていない。前年産が同じ28,000円だった岩手・宮城・山形は17,000円台に決まった中通ひとめぼれ28,000円令和7年産は下の表参照

早期米の大幅安は主産地の先行指標とされてきましたが、秋田・宮城・山形・栃木の実額で東北・関東でも裏づけられ、日本農業新聞は9月10日、主産地の概算金が出そろったとして「25年産比3〜4割安」と総括しました。未提示で残るのは青森・福島・長野などです。令和7年産で早期に「最低保証額」を示していた産地ほど、令和8年産では提示を見送るか時期を後ろ倒しにする動きが目立ちます。新潟に続いてJAしまね(7月3日)とJAグループ佐賀(8月7日)が最低保証価格の提示を見送り、JA晴れの国岡山は概算金の設定自体を11月へ先送りして、まず一時払金10,200円を支払う二段方式を採りました。売れ残りを抱えた状態で金額を先に約束しにくいという事情が、「提示の遅れ」から「先送り」へ一段進んだ形です。産地ごとの確定額は、発表され次第この記事に追記します。

これから金額・指標が出る日程

令和8年産の概算金は、8月下旬から9月にかけてが本番です。この記事は下記の公表・発表に合わせて更新します。

時期出るもの見るポイント
2026年9月中旬農林水産省「令和7年産米の相対取引価格・数量」(8月分)7月分は32,486円で前月比1,181円高(+4%)と反発した。新米が出回る8月分で再び下げるか。概算金の下値の目安になる
2026年10月中旬令和8年産米の予想収穫量(農林水産省)8月31日公表の作柄概況(8月15日現在)は、10アール当たり収量が平均を「やや上回る」見込みの道府県が24。豊作なら供給がさらに増え、追加払いの原資を細らせる
2026年9月下旬JAぎふ「ハツシモ」の概算金コシヒカリ16,300円など4銘柄は8月31日に公表済み。晩生のハツシモだけ後から出る
2026年11月JA晴れの国岡山の概算金8月31日に先払いを決めた一時払金10,200円との差額を12月に追加払いする。11月の設定額が実質の県内水準になる
2026年9月以降政府備蓄米21万トン買い戻しの実施と追加の判断鈴木憲和農相が9月1日に21万トンの買い戻しを表明。産地からは「21万トンでは足りない」と追加の量・時期の早期アナウンスを求める声が出ている
2026年9月青森・福島など残る産地の概算金主産地はほぼ出そろった。前年産28,000円だった福島は、同水準だった岩手・宮城・山形の17,000円台が目安になる。青森は「2万円割れ」の見方が7月から報じられている
2026年9月長野県内のJAの概算金県内は9月に決まる見込みとされている。北陸3県(新潟18,500円・富山20,000円・石川17,500円)が近隣の目安になる
2026年10月上旬米穀機構の価格見通し指数(9月調査)8月調査は18で、過去最低だった7月調査から横ばい。「下がる」見通しのまま新米の出回りを迎えた

概算金は令和4年産からどう推移したか

令和8年産の下げ幅は「前年比」だけを見ると異常な数字に見えますが、数年の推移に並べると位置づけがはっきりします。年産をまたいで追える代表例として、全農にいがたの一般コシヒカリの推移を示します。

年産新潟・一般コシヒカリの概算金前年産との差その年の状況
令和4年産(2022年産)13,700円需要減と在庫増で低迷した時期
令和5年産(2023年産)13,900円+200円生産コスト上昇を踏まえた小幅増
令和6年産(2024年産)17,000円+3,100円令和5年産の品薄(いわゆる令和の米騒動)を受けた大幅増
令和7年産(2025年産)30,000円+13,000円集荷競争が過熱し過去最高。前年比約76%高
令和8年産(2026年産)18,500円▲11,500円8月18日決定。最低保証額の提示は見送り。「過去に例がない下落率」。在庫は243万玄米トンに積み上がり

この5年で突出しているのは令和7年産の30,000円です。令和4〜5年産は13,700〜13,900円、令和6年産でも17,000円でした。この目盛りで見ると、静岡の14,040円は令和4〜5年産並み、北海道の17,000円は新潟の令和6年産と同額、新潟自身の18,500円も令和6年産を1,500円上回るだけの位置です。令和8年産は「前例のない安値」ではなく、令和7年産の突出した高値から令和5〜6年産の水準へ戻った動きです。ただし当時より肥料・燃料・資材の価格は上がっており、同じ17,000円でも今の生産費では赤字になります。

令和7年産の概算金(産地・銘柄別の金額)

令和7年産の概算金は、米価上昇と集荷競争を背景に多くの産地で令和6年産のおよそ7割高まで引き上げられ、記録的な水準となりました。自分の産地の令和8年産を見積もるには、この令和7年産の金額が出発点になります。

産地銘柄令和7年産(玄米60キロ・1等)前年産との差支払いの段階
北海道ゆめぴりか30,000円前年当初比で7割超高ホクレン→JA
北海道ななつぼし29,000円+12,500円ホクレン→JA
青森まっしぐら30,000円+15,000円JA→農家
岩手ひとめぼれ28,000円追加払い後31,000円
秋田あきたこまち30,000円+13,200円全農→JA(当初28,300円前後)
山形はえぬき28,000円+11,500円全農→JA
宮城ひとめぼれ28,000円+11,500円全農→JA
福島中通ひとめぼれ28,000円+10,800円JA→農家
茨城コシヒカリ30,000円+12,000円全農→JA(買取は32,500円)
栃木コシヒカリ31,000円+14,700円全農→JA。あさひの夢は27,200円
千葉コシヒカリ25,800円+10,000円全農→JA(当初23,800円)。ふさこがね24,000円
新潟一般コシヒカリ30,000円+13,000円全農→JA。魚沼産は32,500円
富山コシヒカリ26,000円+10,000円全農→JA。富富富は26,800円
石川コシヒカリ25,200円(当初)+9,000円県域共計概算金。期中に31,200円へ引き上げ
福井コシヒカリ29,000円+11,800円JA→農家。ハナエチゼン28,000円
三重一般コシヒカリ29,000円+12,000円JA→農家。令和8年産を伝えた報道では、県内JAの令和7年産の提示は30,000〜33,000円程度とも伝えられている
滋賀コシヒカリ29,450円+12,150円JA→農家。複数JAの中間値
岡山コシヒカリ30,000円+9,900円前年当初比
広島コシヒカリ26,000円全農ひろしまの提示
島根コシヒカリ28,400円+11,600円JA→農家(1.9ミリ上)
佐賀さがびより29,500円前年同期の約1.8倍
高知コシヒカリ22,000円+7,200円JA→農家
宮崎早期コシヒカリ(第2期)32,000円+12,400円JA→農家

右端の「支払いの段階」に注意が要ります。全農県本部やホクレンが県内のJAへ示す金額(全農→JA)からはJAの手数料などが差し引かれるため、同じ「概算金30,000円」でも、農家の口座に入るのは30,000円ちょうどではありません。同じ県内でもJAごとに上乗せや奨励金が付く場合があり、等級や検査結果、JA米かどうかでも変わります。この差し引きの実額は概算金の仕組みで、石川県の公開資料をもとに示しています。

令和7年産と比べて令和8年産はどれくらい下がるか

実額が判明した産地の下落率は、富山の約23%安から熊本(JA阿蘇)の約57%安まで幅があります。主食用うるち米では栃木が約45%安、島根が約44%安、福井が約41%安、広島と山形「雪若丸」が約40%安、宮城・岩手と山形「はえぬき」が約39%安、新潟・山口が約38%安、秋田が約35%安、石川が約31%安、鳥取が約27%安でした。この3〜4割台を上の表に当てはめると、自分の産地のおおよその見当がつきます。たとえば令和7年産が28,000円だった福島なら、4割安で16,800円、3割安で19,600円が目安のレンジです。実際に同じ28,000円だった宮城・山形は17,000円(約39%安)、岩手は17,200円に決まっており、このレンジのほぼ中央です。

ただしこれは既発表産地の下落率から機械的に計算した目安で、予想ではありません。実際の金額は産地ごとの在庫、卸売業者との契約の進み方、集荷競争の有無で変わります。

「概算金」と「JAの買取価格」は何が違うか

同じ金額が「概算金」「仮渡金」「JAの買取価格」と別々の言葉で呼ばれます。ほとんど同じ意味で使われますが契約としては別物で、手取りの決まり方が変わります。

比べる点概算金(仮渡金)買取価格(買い取り集荷)
契約の形販売委託。JAが生産者に代わって売る売買。JAが生産者から買い取る
受け取る金額の性格販売代金の一部を集荷時に前払いする仮の金額その金額で売買が成立する確定価格
その後の増減販売終了後の共同計算で追加払いがあり得る。相場が良ければ増える原則として増えない(別途の奨励金が付く場合はある)
相場が上がったとき手取りが増える可能性がある売った後の値上がり分は受け取れない
相場が下がったとき追加払いがほぼ出ないことがある売った時点の価格が確保される
資金化のタイミング集荷時に前払い、精算は翌年になることが多い売買時点で金額が確定する

この使い分けは実際の報道にも表れています。JA徳島県は令和8年産コシヒカリを30キロ当たり8,300円の「買い取り価格」として示し、同じ県内のJA徳島市とJA東とくしまは「概算金」として提示しました。愛媛でも県内JAの概算金15,400円と、全農えひめの買い取り価格16,567円が同じ日に報じられています。金額の高い低いだけで比べると判断を誤ります。

今年のように相場が下がってきた局面では追加払いが出にくく、両者の実質的な差は縮まります。逆に令和7年産のような上げ相場では委託のほうが手取りが大きくなり、秋田「あきたこまち」が当初28,300円から最終3万円になったのがその例です。契約前にJAの担当者へ「委託か買取か」「追加払いの実績はどうか」を確かめておくのが確実です。

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実際の取引価格(相対取引価格)

概算金は前払いのため、実際の取引水準は農林水産省が毎月公表する相対取引価格で確かめます。直近の令和8年7月分は全銘柄平均が玄米60キロ当たり32,486円で、令和7年10月のピーク37,058円から約12%低い水準です。相対取引価格には運賃・包装代・消費税が含まれるため概算金とそのまま比べることはできませんが、これが下がれば追加払いの原資も細ります。

よくある質問

令和8年産の概算金はいつ発表されますか

早期米は7月から、主食用うるち米は8月下旬から9月上旬にかけて順次提示されます。早期米は九州・四国と千葉まで出そろい、主食用うるち米も9月10日時点で東北・関東の主産地を含む22産地が金額を示し、日本農業新聞は9月10日に「主産地が提示」と総括しました。残るのは青森・福島・長野などで、岡山は概算金の設定を11月に先送りしています。今後の日程はスケジュールの表にまとめています。

令和8年産は令和7年産より上がりますか、下がりますか

下がります。見通しではなく、すでに実額で確認できます。早期米・主食用うるち米ともに前年産をおおむね3〜4割下回り、新潟の一般コシヒカリは18,500円(約38%安)、秋田のあきたこまちは18,300円(約35%安)、宮城のひとめぼれと山形のはえぬきは17,000円(約39%安)、栃木のコシヒカリは15,500円(約45%安)、奈良のコシヒカリは13,100円です。令和4年産からの推移で見ると、令和5〜6年産の水準へ戻った位置にあたります。

焦点は「下がるかどうか」ではなく、どこまで下がるかです。下値を決めるのは20,535円のコスト指標で、すでに多くの産地が割り込んでいます。令和9年6月末の民間在庫も減らない見通しで、令和7年産の水準へ戻る材料は現時点で見当たりません。

概算金はコスト指標を下回っているのですか

多くの産地が下回っています。生産段階のコスト指標20,535円を上回るのは、鹿児島「金峰コシヒカリ」21,600円・熊本20,700円・新潟の魚沼コシヒカリ21,000円・富山の富富富20,800円だけです。秋田の「サキホコレ」20,300円は235円差まで迫りますが届かず、新潟の一般コシヒカリ18,500円は2,035円、岩手のひとめぼれ17,200円は3,335円、静岡のコシヒカリ14,040円は6,495円、奈良のキヌヒカリ12,600円は7,935円下回ります。コスト指標は価格交渉の目安で、概算金の下限を保証するものではありません。

JAの買取価格と概算金は同じものですか

近い意味で使われますが、契約としては別物です。概算金(仮渡金)は販売委託に対する前払いで、販売終了後の追加払いで最終手取りが決まります。買取価格は売買の確定価格で、その後の値上がり分は受け取れない代わりに金額が確定します。詳しくは概算金と買取価格の違いをご覧ください。

概算金が下がると、お店で売られる米の値段も下がりますか

概算金は生産者への前払いで、店頭価格とは別の段階の金額です。ただし方向はつながっています。概算金の下落は産地の販売見込みが下がっていることの表れで、実際に卸売業者との取引価格(相対取引価格)は全銘柄平均で玄米60キロ当たり32,486円(令和8年7月分)で、令和7年10月のピーク37,058円から約12%安まで下がっています。ここから精米・包装・流通の費用と利益が乗って店頭価格になるため、産地の下落が小売価格に届くまでには数か月のずれが生じます。小売価格を含めた米価全体の動きは米政策と米価の見通しで解説しています。

概算金は最終的に受け取れる金額ですか

いいえ。概算金は仮渡金(前払い金)で、米の販売が終わった後の追加払い(精算金)で最終手取りが確定します。販売が好調なら追加払いが増え、振るわなければ追加払いはわずかになります。

概算金は誰が決めますか

県単位で全農県本部・経済連が、産地・銘柄・等級ごとに玄米60キロ当たりの金額を決めます。地域によってはJA等が独自に設定します。

自分の産地の金額はどこで確認できますか

出荷先のJAが示す最新の提示額で確認しましょう。報道で目にする金額は特定の県・銘柄の例であり、同じ県でもJAごとに上乗せや奨励金で変わります。

次の一歩

概算金は、米価全体の動きや国の米政策とあわせて理解すると判断の精度が上がります。米の需給と価格の見通しは米政策と米価の見通しで、価格高騰時の供給対策として注目された仕組みは政府備蓄米で解説しています。自身の産地の最新の概算金は出荷先のJAが示す提示額で把握し、毎月の相対取引価格は農林水産省のページでご覧ください。

このページのデータを使う(CSV・JSON)

この記事に掲載している産地・銘柄別の概算金は、概算金データのページで CSV と JSON として配布しています。出典の記載とリンクを条件に、報道・研究・社内資料・アプリなどで自由に利用・再配布できます。事前の連絡は不要です。主食用うるち米の提示が進むのに合わせて更新します。

キーワード解説

概算金

JAへ出荷契約した米について、JAグループが集荷の時点で代金の一部を前払いする資金です。仮渡金・前渡金・内金とも呼ばれ、報道や検索では「JAの買取価格」と表現されることもありますが、買い取り(売買)ではなく販売委託に対する前払いである点が異なります。国の制度ではなくJAグループの商慣行で、玄米60キロ(1俵)当たりの金額を県単位で全農県本部・経済連が決め、各JAがそれをもとに経費を勘案して生産者への支払額を最終的に決めます。

追加払い(精算金)

米の販売が終わった後の共同計算で、販売代金から経費と概算金を差し引いた残りを、出荷量に応じて生産者へ支払うお金です。販売が好調なら金額が増え、最終手取りは概算金と追加払いの合計で確定します。

相対取引価格

出荷団体と卸売業者の間で結ばれた取引契約の価格を、農林水産省が毎月集計・公表する統計です。運賃・包装代・消費税を含む1等米の価格で、産地銘柄別と全銘柄平均が公表され、米価の動向を示す代表的な指標です。

米のコスト指標

食料システム法(食品等の持続的な供給を実現するための食品等事業者による事業活動の適正化等に関する法律)に基づき、農林水産大臣が認定したコスト指標作成団体が公表する費用の目安です。米では米穀安定供給確保支援機構(米穀機構)が令和8年4月7日に公表し、生産段階は玄米60キロ当たり20,535円とされました。価格交渉や概算金を判断する参考として使われますが、価格を保証する制度ではありません。

早場米(早期米)

一般的な産地より早く収穫・出荷される米です。宮崎・鹿児島・熊本・高知など九州・四国の産地が7月から出荷を始め、千葉など関東の早場米が続き、その年の概算金の水準をいち早く示します。